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横尾忠則、創作の源を探る展覧会

Lmaga.jp 8月20日(土)7時0分配信

横尾忠則現代美術館(神戸市灘区)には、美術家の横尾忠則から預かった大量の資料が保管されています。作品のモチーフになった写真や印刷物、制作過程のアイデアスケッチ、原稿、作品から派生した商品、さらには横尾自身が収集した絵葉書やレコード、蔵書まで。こうしたアーカイブ(保管)資料に光を当て、調査の過程も含めて公開しているのが、この「ヨコオ・マニアリスムvol.1」です。

美術家、横尾忠則がインスピレーションを受けたあらゆるものが一堂に。

会場に入り、まず目を引くのは、2階展示室に設置されたアーカイブ作業のコーナーです。普段は美術館のバックヤードで行われている、作品や資料の記録、分類、仕分けといった作業が展覧会場で行われ、観客に公開されています。

また、展示されている作品の前には、横尾が1960年代から書き続けている日記のコピーやアイデアソースとなった資料類が添えられており、彼の制作過程を垣間見ることができます。つまり本展は、美術館の調査とアーティストの創作の秘密を一体的に紹介するユニークな展覧会なのです。このような趣向は非常に珍しく、美術展を見慣れた人でも驚くに違いありません。

ほかには、横尾が子どもの頃から憧れていた郵便に関するコーナー、まるで抽象画のような使用済みパレットを並べたコーナー、日記の実物を展示するコーナーなどがあり、 猫とモーツァルトと涅槃像をモチーフにした作品、ザ・ビートルズをモチーフにした作品なども展示されています。アーティストの頭のなかを覗いたような気分になれる展覧会であり、一つの創作が次の創作に繋がり、永遠に連鎖し続ける横尾ワールドを知る貴重な機会とも言えるでしょう。

文・写真/小吹隆文(美術ライター)

最終更新:8月20日(土)7時0分

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