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【レスリング】悔しすぎる「銀」樋口黎 体操・内村の名言に感銘し猛練習

東スポWeb 8月21日(日)6時53分配信

【ブラジル・リオデジャネイロ19日(日本時間20日)発】悔しすぎる銀メダルだ。レスリング男子フリースタイル57キロ級決勝で、樋口黎(20=日体大)は昨年の世界選手権覇者ウラジーミル・キンチェガシビリ(25=ジョージア)に判定で敗れ、銀メダル。試合巧者に反則まがいの行為で攻撃を防がれ「チャレンジ失敗」の末の惜敗だった。それでも無名の若武者が世界の舞台で強心臓を武器に躍動。2020年東京五輪に向けて、レスリング界に待望の“超新星”が現れた。

 決勝は序盤から攻め立てた。1―0で迎えた第2ピリオド開始早々、片足タックルで2点を奪い3―0。しかし相手に体を返され2点を与えると、2度の口頭注意を受け30秒間の攻撃時間に得点できず、3―3と追いつかれた。

 後攻ポイントが有利となるため、このままでは負けになる。残り30秒、樋口は最後の勝負に出ようとするが、キンチェガシビリは指をつかむという反則まがいの行為で攻撃を防いできた。樋口は反則をアピールするが、認められずに試合終了。すかさず日本側は「チャレンジ」(再審)を要請した。認められれば20歳の金メダリスト誕生となったが、これも退けられチャレンジ失敗により、相手に1点が加えられ3―4。あと一歩で判定負けした。

 樋口は「一番じゃないので悔しいですけど、自分のスタイルは崩さなかったし、やはり五輪は厳しいと思った」。それでも世界選手権出場経験がなく、国際舞台では無名の若武者が次々に強敵を撃破しての銀メダル獲得は快挙と言っていい。

 4年後の東京五輪へ期待される逸材だったが、昨年6月の全日本選抜選手権で減量苦から計量に失敗。食生活が大きな課題だった。肉類が好きで野菜嫌い。一番の問題は、甘いものが大好物でどうしてもやめられなかったこと。しかし五輪代表に決まり自覚が増すと、管理栄養士のもと食生活を徹底的に見直した。6月のポーランド遠征以降、大好物のチョコレートを我慢。リオ出発前には「ものすごく食べたいです。でもホントに食べてませんよ。試合後に食べるブラジルのチョコレートが楽しみ」と話していた。

 最大の武器は強心臓だ。大会前も緊張や興奮で気持ちを乱すことはない。「この若さで、しかもまったく世界選手権にも出ていないのに動じず、自分の力を発揮できるのは強み。舞い上がることもなく、やるべきことを淡々とできる気持ちの強さに正直驚いている」(和田貴広監督)

 体操の内村航平(27=コナミスポーツ)の「五輪の魔物とは練習で戦う」との言葉に感銘。「何とか(魔物と)友達になって力を貸してほしいですね」(樋口)と練習時から本番を意識して“心”を鍛えた。体力面でも7月の高地トレーニング(岐阜)の効果が表れた。連戦が続いても呼吸が乱れず、疲れにくい状態で本番を迎えることができた。

 技もとことん追求。必殺技の変型アンクルホールドの習得には裏話がある。高校1年生のとき、大胆にもアンクルホールドが得意だったアテネ五輪銅メダリストの田南部力氏(41)に「技を受けてください!」と申し出たのだ。高校生で五輪メダリストの指導者に教えを請うのは勇気がいるが、樋口は臆することはなかった。「彼は動じなかったですね。会うたびに『受けてくれ』と言われていた。アドバイスをして、自分でも研究して彼なりの修正を経て高3のころには完成度が高い武器になった」(田南部氏)。今では、日本のコーチが海外選手から「ヒグチの技を教えてほしい」と頼まれるほどになった。

 東京五輪は24歳で迎える。樋口は「ロンドン五輪からリオ五輪までは早く感じたので、一日一日の時間を有効活用して迎えたい」と早くもリベンジを視野に。16大会連続メダル獲得と伝統をつなぐ日本の男子レスリングに、待望のエースが誕生した。

 ☆ひぐち・れい 1996年1月28日生まれ。大阪府出身。吹田市民レスリング教室で全国少年少女選手権5度優勝。茨城・霞ヶ浦高でインターハイ2連覇、国体2連覇。日体大に進み、2015年全日本選手権優勝。163センチ。

最終更新:8月21日(日)6時53分

東スポWeb

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。