ここから本文です

ホンダ「NSX」復活! おやじを目標に開発した「初代」の生産終了から10年

ZUU online 8/21(日) 9:40配信

「おやじが創ったスーパーカブを超える夢がかかったプロジェクトだ。絶対にあきらめるわけにはいかない。もう一度最初から考え直しだ」

本田技研工業 <7267> のWebサイトに「小説」が掲載されているのをご存知だろうか。上記のセリフはその一節である。創業者の本田宗一郎は、従業員がいい加減な仕事をすると、全身を震わせて叱りつけたという。本気で叱ってくれる本田を従業員は敬愛を込めて「おやじ」と呼び、慕った。

そんな「おやじ」が生み出し、世界中で愛され続けた二輪車がスーパーカブである。同社の調べでは、1958年に開始したスーパーカブの生産台数は2014年3月時点で8700万台を超え、輸送用機器の1シリーズとして世界最多を記録している。

おやじのスーパーカブの「存在」を超える自動車を創りたい。

1989年、開発陣の想いを胸に立ち上げたプロジェクトは結実する。新しいスポーツカーと未知数を意味する「X」を合成した “New Sports Car X” から名付けられたそのモデルこそが、初代「NSX」である。

■バブル期に誕生した「新しいスポーツカー」

1990年から2005年まで販売した初代 NSX は、その名の通りスポーツカーの「新しい概念」を取り入れたクルマであった。

たとえば、軽量化を図るために採用されたオールアルミ・モノコックボディは量産車としては世界初の試みであった。エンジン、シャシー、足廻り、シートの構造部材に至るまでアルミ合金を使用した。

エンジンは「3.0L V型6気筒 DOHC VTEC」を横置きで搭載。ちょうどドライバーのお尻の下に敷くような位置関係から、開発チームでは「座布団エンジン」とも呼ばれた。

その「座布団エンジン」の最高出力は280ps、最大トルクは30.0kgmであった。加えて、4チャンネルデジタル制御アンチロックブレーキシステムや、トラクションコントロールシステム、SRSエアバッグなど数々の新しい安全・快適装備を採用したのも大きな特徴である。

購入の際にはショートストロークが特徴の5MTと、専用開発のATから選ぶことができた。価格はMTが800万円、ATは860万円で当時の日本車としては最高額である。

初代NSXは、あらゆる面で「新しい概念」を取り入れたスポーツカーであった。だからこそ、ホンダの顔とも呼べる存在となれたのであろう。

■10年ぶりに復活する新型「NSX」

初代が生産中止となってから10年以上を経て、まもなく2代目NSXが登場する。ここで日本よりも一足早く販売をスタートした米国での公式発表をまとめてみよう。

エンジンは最高出力573ps、65.8kgmの最大トルクを発生させ、縦置きとなった。9速のデュアル クラッチ トランスミッションが組み合わされ、最高速度は307km/h。ボディはアルミ中心であるが、カーボンファイバーなど新素材との組み合わせも採用している。

新型NSXはオハイオ州にあるパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センターで生産される。とりわけV6エンジンは手作業で組み立てられるので、完成には相応の時間を要することになるだろう。

■8月25日から商談申し込みスタート

日本では、全国のホンダ・カーズの中から選定した「NSX パフォーマンスディーラー」が販売からメンテナンスまでを一貫してサポートする。

同ディーラーは、スーパースポーツのメンテナンスに必要な専用設備を備え、ホンダが認定したサービスエンジニアである「NSX スペシャリスト」が在籍する店舗に限定される。NSXの専門家でないとメンテナンスできない仕組みなので、当然ながら修理費も高額になりそうだ。

購入のサポートおよび商談の申し込み受付は、8月25日にNSXパフォーマンスディーラーで開始される。「おやじを目指した初代NSX」の生産終了から10年あまり、まもなく復活する「2代目NSX」の登場を楽しみに待ちたい。(モータージャーナリスト 高橋大介)

最終更新:8/21(日) 9:40

ZUU online

チャート

ホンダ7267
3473円、前日比+36円 - 12/9(金) 15:00