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SB長谷川V打 工藤監督「理想の形」中軸で一挙逆転

西日本スポーツ 8月21日(日)12時50分配信

 天王山で、タカ打線が真価を発揮した。1点を追う8回。無死から柳田、内川の連打で一、三塁の好機をつくると、長谷川が心を整えて打席に向かった。初球の内角球は空振り。2球目。外角へ逃げるスライダーに踏み込み、捉えた。力強く飛び出した打球は左中間を真っ二つ。同点、逆転の走者を一気に生還させた。

 寡黙な打撃の求道者は、独特の感性で重圧に打ち勝ち、値千金の一打を放った。「冷静に入れた」と振り返る勝負の場面。打席に入る前に、すべての雑念を頭から消した。「首位攻防、1点ビハインド、得点圏…。プレッシャーのかかる場面なので、純粋に宮西投手との対戦を楽しもう」。口では言えても、簡単に実践できることではない。本拠地の試合では勝敗、自身の結果に左右されることなく必ずミラールームで黙々とスイングしてから帰宅。普段の姿勢が、ここ一番で究極の集中力を生む。

 1・5ゲーム差に引き離した事実以上に価値のある攻撃だったことは、工藤監督の表情を見れば一目瞭然だ。19日の初戦は勝利こそしたものの、中軸の3人は計12打席で長谷川の1安打だけ。負ければ再び「マイナス0・5ゲーム差」に戻される一戦で、工藤ホークスの看板でもある中軸の3連打で逆転勝ちを収めたことは大きな意味を持つ。

 「理想の形。ああいう得点の仕方をしてくれるとチームに勢いが生まれる」

 そう喜んだ指揮官は、昨季5番を務めた李大浩が移籍して抜けた時点から、「柳田-内川-長谷川」を今季の理想の中軸と言い続けてきた。手術歴のある長谷川の右足首の状態や打線の不調もあり、今季のオーダーは110試合目にしてすでに81通り。やりくりに苦しんできたが、軸である3人が本来の姿で固定されればV3への道は再び明るく照らされる。6回の大谷の仰天弾で再び詰め寄られそうになった工藤ホークス。打線が「束」となって、力強くそれをはね返した。

西日本新聞社

最終更新:8月21日(日)12時50分

西日本スポーツ