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自民会派の富山市議 政活費事実と異なる報告/富山

チューリップテレビ 8月21日(日)9時42分配信

 議員報酬の引き上げをめぐって批判をあびた富山市議会に、疑惑が浮上しました。

 最大会派・自民党の市議会議員が、実際とは異なる内容の報告をして、政務活動費の交付を受けていたことが分かりました。チューリップテレビの取材に対し、交付を受けた議員本人も認めています。

 「これ(報告書)を変えておけばよかったけど、変えずにそのまま出していただけの話。実際は、やることは間違いなくやっていて、資料も作成」(自民党議員会・中川勇富山市議)

 富山市議会・自民党の中川勇議員。
 事務局に報告した市政報告会の開催場所と、実際に開いた会場が異なることを認めました。
 政務活動費は、政策の調査・研究などを行うための費用で、市議1人につき月15万円を、市から各会派に交付します。議員は、会派を通じて報告書や領収書を提出し、使い道を明確にしなければならず、余った分は、市に返さなければいけません。
 自民党会派では、2010年度以降、年間およそ5500万円の政務活動費を、全て使い切っています。
 今回、チューリップテレビは、情報公開請求を行い、富山市議会の政務活動費の収支報告書を、独自に入手しました。

 入手したのは、2013年度分と2014年度分。
 2年分で、合わせておよそ1万枚にのぼります。
 報告書を点検すると、2013年度に中川市議が提出した書類の中に、富山市東部地区センターで開催したとする、市政報告会の伝票4件が見つかりました。そこで配られたとされる資料の、印刷費の領収証の控えも添えられています。
 4件の金額の合計は、およそ67万円。
 作成した部数は、多いときには300部以上です。

 富山市東部地区センター。
 富山市立東部公民館と建物を共有する、市の窓口です。
「案内文には、こちで市政報告会が開かれたと記載されていますが、中にはとても、200~300人を収容できるスペースはありません」(記者)

 中には、大研修室と和室がありますが、200人・300人規模の会合は、とてもできません。

 所長に確かめると―。
「地域の活動でも70人をこえて使ったことはない」(富山市立東部地区センターの所長)

 また、施設を使うには、市の条例に基づき、申請書を出さなければなりません。
 しかし、中川市議が報告した4件について、報告があった日の使用申請書を調べたところ、市政報告会としての使用実績は、1件もありませんでした。所長は、5年前からこのセンターに勤務していますが、この間に「1度も市政報告会の申請書を見たことがない」と話します。

 中川市議に、直接、このことを聞きました。
 Q.申請された形跡が無かった(記者)
「場所が変わっただけの話、市政報告会は必ずやっている」(中川市議)

中川市議は、「2012年ごろまでは、東部地区センターで開いていたものの、その後、使わなくなり、周辺の企業の会議室や、飲食店で行うようになった」と話しました。

 報告書にあった4件のすべてについて、「場所は変わったが、市政報告は行っている」と主張します。
 その日の自治振興会の会議に出席した人は―。

「ごあいさつの中で、市政についてふれていた」(地元の自治振興会の人)
「1月の自治振興会の会合は、たんなる新年会。中川さんは挨拶しただけ。市政報告会というのは…そんなのしてたら酒飲む暇がない」(近隣町内会の人)
 自治振興会の会議の出席者たちは、町内の会合や催しの際の挨拶で、市の取り組みに触れる程度で、市政報告をメインに開かれてはいないと話します。
 また、中川市議が、2014年3月15日の会合の場所と話した飲食店。
 店主に取材したところ、この店には、25人ほどしか入れない上、この日は、会合などでの利用はなかったと言います。

 もう一つの疑問点が、報告された印刷物の部数です。
 会場の大きさと比べると、部数が、あまりにも多いのです。
 市政報告会では配布していないものの、その後、後援会を中心に、近隣の有権者に渡していると話す、中川市議。
 しかし、市議会の定める政務活動費の運用指針では、後援会活動にあたる経費は、不適切としています。
 こうした政務活動費の曖昧な使い方について、議会事務局は―。

 「外形的に合致しているものについては、突き詰めて『どうですか』と問いただすのは、(議員との)信頼関係を、ある意味で壊してしまうことになりかねない」(富山市議会の事務局長)

 Q.その信頼関係が、逆に破られたとしたら、議会事務局としてどう対応するのか(記者)
 「今の案件については、今聞いたばかりなので、なんとも申し上げる立場ではないが、まずは、議長に、しっかり『こういう内容の話があった』と報告し、個人ではなく、議会全体、あるいは、議会事務局として、しっかり考えて生きたい」(事務局長)

 Q.議長に相談した上で、中川議員本人からも、話を聞くのか(記者)
 「現段階で、そういったことになるかは…。まずは議長と相談の上、協議して、また、対応を考えていきたいと思う」(事務局長)

 Q.公の資料で、これだけの事実が分かっているが、それでも、一度確認してからなのか(記者)
 「決して、チューリップテレビの取材内容について、全否定という意味ではない。議会や議長と情報を共有化しないことには、次のステップにはいかないと思う」(事務局長)

 また、法律の専門家にも聞きました。
 「これだけでも大問題。不正請求、繰り返しているんですよ。政務活動費として認められないお金が使われている。それについては、返還が必要」(青島明生弁護士)

 「訂正あれば、訂正していく」(中川市議)

チューリップテレビ

最終更新:8月21日(日)9時42分

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