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アイフォーンもいずれインテル製採用か?モバイルチップでARMとの提携余波

ニュースイッチ 8/21(日) 12:53配信

さっそくLGが製造委託、ファウンドリーの勢力地図塗り替える?

 16日からサンフランシスコで開かれた開発者向けイベント「IDF16」で、インテルは英ARMホールディングスから半導体コアの技術ライセンス供与を受けることで合意したと発表した。スマートフォン向けのプロセッサーではクアルコムに水をあけられ、大きく出遅れたインテルだが、半導体分野で永年のライバルとも言えるARMとの提携は、モバイル用プロセサッサーの勢力地図を塗り替えるインパクトを持つかもしれない。

 これによりインテルはARMのアーキテクチャーを使って、回路線幅10ナノメートルの次世代モバイル用プロセッサーチップを他の半導体会社から受託し、自社の最新生産ラインで製造・供給できるようになる。

 インテルはこれまでにもほかの半導体メーカーの生産の肩代わりするファウンドリー(半導体の受託生産)事業を行ってきたが、原則的にインテルのアーキテクチャーに基づくものだった。今回は自前アーキテクチャーに固執せず、同社の持つ最先端の10ナノプロセスを最大限に生かし、モバイル用チップで名より実を取る戦略に出た。これにより、ファウンドリートップの台湾・TSMCほか、米グローバルファウンドリーズ、それに韓国・サムスン電子にとって脅威になるのではとの見方も出ている。

 一方、ユーザー側では、韓国・LG電子がインテル製モバイルチップを採用すると早々と表明。2017年発売予定のスマートフォンに搭載するSoC(システム・オン・チップ)の64ビットプロセッサーの委託生産先をインテルに切り替える。これまでLGにチップを供給してきたクアルコムにとっては痛手となりそうだ。

 LG以外でも、米アップルや中国・ファーウエイはARMのコアを使いながら独自にチップデザインを行っている。とくにアップルはiPhoneやiPadに搭載するAシリーズのうちiPhone 6S/6S PlusのA9チップについて、14ナノのFinFET LPEプロセスが韓国・サムスン電子、16ナノのFinFETプロセスが台湾・TSMCと2社に製造を委託している(iPad ProのA9XはTSMCが生産)。

 さらに9月にも発表されるiPhone7のA10プロセッサーをめぐっては、アップルがスマートフォンで競合するサムスンとの関係を断ち切りたい意向もあり、16ナノメートルプロセスを採用したTSMCの単独供給になる見通し。

 2017年のiPhone8に搭載されるA11も、TSMCの10ナノメートルプロセスを使うとみられている。

 アップルはMac用のプロセッサーにインテル製を採用するなどインテルと関係が深く、しかも次のiPhone7では、スマートフォンを無線ネットワークに接続するモデムチップで、クアルコムの単独供給から一部インテル製に切り替えると伝えられている。

 こうした動きを踏まえ、Fortuneは、しばらく時間はかかるものの、2019年発売のiPhoneでインテル製チップが採用されるかもしれない、とのアナリストのレポートを紹介した。

 ただ、同誌は、ARMからインテルへの技術ライセンスは今のところ限定的で、アップルのようにARMコアを採用しながら高度にカスタム化したチップの設計は含まれないのではないかともしており、超えるべきハードルはまだまだ多いとの見方だ。

最終更新:8/21(日) 13:01

ニュースイッチ