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新たな埋蔵エネルギー“下水発電”の可能性

ニュースイッチ 8/21(日) 18:14配信

下水処理場で汚泥処理中のガスから発電

 下水処理場に眠るエネルギーを活用しよう―。水処理設備やエネルギー関連機器を手がける機械メーカーが、下水処理中に発生するエネルギーの有効利用に寄与する技術の開発や普及に挑んでいる。一方で処理にかかる電力消費の低減が課題となっており、IoT(モノのインターネット)を駆使して省エネを後押しする技術革新にも取り組む。

 2011年の東日本大震災発生以降、節電意識の定着や再生可能エネルギーの利用推進に伴い、いかにエネルギーを生み出すかは下水処理場でも大きな課題だ。

 バイオマスである下水汚泥は重要なエネルギー資源で、15年には下水道法の一部改正により汚泥を燃料や肥料として再生利用するよう下水道管理者に努力義務が課せられた。

 汚泥の処理過程で発生する消化ガス(バイオガス)の約3割は活用されていないとされる。こうしたエネルギーの有効活用に向け、ヤンマーエネルギーシステム(大阪市北区)はバイオガスを燃料とする小型コージェネレーション(熱電併給)システムの導入を促進。出力25キロワットの発電機と付帯装置、配管やポンプ、補機類を20フィートコンテナに内蔵したシステムを開発。改良を重ね年内に発売する。

 同社は下水処理場向けでトップの納入台数を誇る。「下水処理場はエネルギーの宝庫」(林清史営業統括部エンジニアリング部ソリューショングループ部長)とし、設置が簡単で工事期間の短縮や手間の軽減が可能な新システムで「小規模の処理場への提案を加速していきたい」(同)考えだ。

 同社は自治体の要望にも応え、出力300キロワットの中型機を15年10月に発売。下水処理場からの引き合いも増えているという。

 月島機械は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を利用した消化ガスの発電事業を1日に大阪市内の下水処理場で始めた。大阪ガス子会社のOGCTS(大阪市中央区)やグループの月島テクノメンテサービス(東京都江東区)と組み、民設民営方式で20年間の発電事業を行う。

 処理場にはヤンマーエネルギーシステム製の出力25キロワットのコージェネシステム30台を設置。発電能力は750キロワット、年間発電量は約550万キロワット時を見込む。発電に伴う廃熱は消化槽の加温に利用する。月島機械グループとOGCTSは今後同市内の処理場3カ所でも消化ガス発電事業を計画し、4カ所合計で4090キロワットの発電能力、年間約2580万キロワット時の発電を想定する。

《解説》
 下水を処理していると発生する消化ガス(バイオガス)を燃料して発電した電力も、固定価格買い取り制度(FIT)で売電できる。FITができたおかげで「下水発電」が増えている。ガス発電機以外に、燃料電池も「下水発電」向けに設置が増えている。ビルなどの電源として使われる「業務用燃料電池」のもっとも多い需要先が下水ではないか。

最終更新:8/21(日) 18:14

ニュースイッチ

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