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ガス濃度低下に期待 大涌谷の蒸気井再稼働から1カ月

カナロコ by 神奈川新聞 8月21日(日)8時30分配信

 箱根山(箱根町)の火山活動活発化に伴う噴気などの影響で損壊し、最も激しく白煙を噴き上げていた大涌谷の温泉供給施設の蒸気井が再稼働して21日で1カ月。温泉供給量の回復とともに期待される火山ガス濃度の低下については、確かなデータはまだ得られていないが、県がガスの成分について分析を進めており、近く結果が出る見通しだ。

 温泉供給業者「箱根温泉供給」は大涌谷の斜面に複数設けた蒸気井で、地下から上昇してきた火山ガスに水を混ぜ、温泉を造成している。このうち「52号蒸気井」は小規模噴火に伴って噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられた昨年6月末以降、メンテナンスができなかったことにより損壊。今年5月から同社が建て替え工事を進め、完了後の7月21日から温泉供給を再開した。

 現在も壊れたままの蒸気井が他にあり、配管も損傷しているため、供給できる湯量は平常時の6~7割程度の日量約2700トン(今月18日現在)。一方、大涌谷の立ち入り規制に影響する火山ガス濃度について、同社は「数値的な根拠はないが、現場ではガスの臭いが薄れてきており、濃度も低下しているとみられる。再開後の温泉造成にもトラブルはない」と説明している。

 箱根町や県も、52号蒸気井の建て替えによる火山ガス濃度の低下に期待を寄せており、県環境科学センターが52号から出る蒸気の成分を分析中だ。供給再開前の7月20日と再開後の8月5日の蒸気を採取、ガス中の成分比を比較する。含有されている二酸化硫黄(SO2)などは水に溶けやすいため、同センターは「52号蒸気井が稼働していれば、蒸気中のSO2の比率は理論上、供給再開前より低くなるはず」とみている。

 町総務防災課によると、大涌谷園地の規制が一部解除された7月26日以降、園地内のSO2濃度が注意喚起の基準値(0・2ppm以上)を超えた日は、8月18日までに2日あった。

最終更新:8月21日(日)8時30分

カナロコ by 神奈川新聞