ここから本文です

「農福連携」静かな広がり 平塚・障害者施設の工房が好調

カナロコ by 神奈川新聞 8月21日(日)20時30分配信

 社会福祉法人進和学園(平塚市万田)が運営する農産物加工場「しんわルネッサンス湘南工房」(同市上吉沢)が好調だ。自前ブランド製品の販路を百貨店や高速道路のサービスエリア(SA)などへ拡大する一方、個別の農家から相手先ブランドによる生産(OEM)を受託するケースが大幅に増えた。障害者の働く場を広げ、地域の農業を活性化する「農福(農業・福祉)連携」が静かな広がりを見せている。

 湘南工房は、6次産業化・地産地消法に基づく農林水産省による認定事業として2014年5月にスタート。社会福祉法人によるものは県内初で、障害者17人、スタッフ6人が平日はほぼフルタイムで働く。主な製品はトマトジュースやトマトピューレのほか、ブルーベリーやニンジンのジャム、みかんジュースだ。

 事業は県内各団体のネットワークで6次産業化に取り組んでいるのが特徴で、NPO法人「湘南スタイル」(茅ケ崎市)がデザインや販売促進、営業を担い、進和学園は主に近隣の農協から原料を購入し、加工品を農協の大型直売所などに販売委託している。県や市も技術支援や情報提供を担っている。

 今年は横浜の百貨店にトマトとミカンのジュースをお中元セットとして納入。東名高速道路海老名SAでは、納入したピューレから作るトマトラーメンが人気で、今年7月は前年比で4倍近い納品となった。

 最も増えたのは、県内外の農家や農業生産法人などがOEMとして原料のトマトを持ち込む受託加工。昨年は5軒だったのが、今年は30軒近くに達し、全体の売り上げの3割を占めるまでになった。湘南工房ブランドのトマトジュースは加工前にじっくり熟成させてうま味を引き出し、塩も水も一切使わない無添加が魅力だが、OEMでは農家それぞれのフルーツ味や糖度など特徴が出るという。

 工房の売り上げは15年度が年間1200万円だったが、16年度は3400万円が目標。しんわルネッサンスの瀬戸利彦所長は「まだ赤字だが、なんとか来年には黒字化したい。農福連携で生産者、消費者、加工事業者がウィンウィンの関係になるようにしていきたい」と意気込んでいる。

最終更新:8月21日(日)20時30分

カナロコ by 神奈川新聞