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財布から現金が消える時代、韓国造幣公社の生存策は?

ハンギョレ新聞 8/21(日) 13:20配信

事業多角化通じて今年4300万ドル輸出契約

 クレジットカードを越えて電子マネーや簡便決済手段まで、支払手段がますます進化して「現金なき社会」が目前に迫っている。韓国銀行(中央銀行)は今年初め、2020年までに「コインなき社会」となる可能性を検討するとして「支払決済ビジョン2020」を発表した。釣銭として主に使用されるコインを、個人用口座から即時入金する方式により貨幣製造のための費用を節減しようという狙いだ。韓銀のアイデアはすでに現金が無くなっているヨーロッパの動きをベンチマーキングしたものと見られる。ベルギーは商取引の93%が現金なしでなされていると報告されている。スウェーデンでは2007年から公共交通利用時の現金使用が禁止され、宗教施設での献金もクレジットカードなどで行われているという。

 貨幣の発行を主要業務にする韓国造幣公社は直撃弾を受けた状況だ。昨年、造幣公社が稼いだ貨幣関連売上額は1200億ウォン(当時のレートで129億円)水準で、2008年の2223億ウォン(当時のレートで213億円)に比較すれば、ほぼ半減した。売上全体に貨幣発行が占める比重も2008年の58%から2015年には42%に下がった。生存戦略を悩まざるをえない状況と言える。

 造幣公社の選択は事業の多角化だった。貨幣の製造を通じて蓄積した偽変造防止や保安技術を活用して、セキュリティー用紙・インク・電子パスポートなどセキュリティー製品全般に事業領域を広げるということだ。また、オフライン事業領域をオンラインに拡張し、認証・決済手段を発行し管理するモバイル・プラットホームの構築まで事業計画に含めている。

 こうした努力は一定の実を結んでいると見られる。造幣公社は今年に入って11カ国と4300万ドルの輸出契約を結んだと17日明らかにした。インドネシアに銀行券用紙4606トンを輸出する一方、中東地域の国々にはセキュリティーインクと電子住民証に使われるICチップセットなどを輸出することにしたという。また、中央アジア地域のある国とは電子住民証の発行システム事業受注を目前にしていると明らかにした。造幣公社のキム・ファドン社長は「単一契約としては上半期の最大規模を受注して、公社としては初めて電子パスポートを輸出するなど、国外事業が好調だ」として「これまでの事業多角化努力が実を結んでいる」と話した。

ノ・ヒョンウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8/21(日) 13:20

ハンギョレ新聞