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今井 藤浪以来の全試合150キロ超えV 作新学院54年ぶり優勝

デイリースポーツ 8月22日(月)6時3分配信

 「全国高校野球・決勝、作新学院7-1北海」(21日、甲子園球場)

 作新学院(栃木)が北海(南北海道)を破り、春夏連覇した1962年以来54年ぶり2度目の優勝を果たした。今秋ドラフト1位候補右腕・今井達也投手(3年)は自己最速タイの152キロを計測して9三振を奪い、7安打1失点完投。今大会全5試合で150キロの大台超えの力投で、チームを日本一に導いた。

 強敵をねじ伏せてきたエースが泣き崩れた。一塁側アルプスへの優勝のあいさつ。メンバー外の仲間や家族が喜ぶ姿が目に入ると、今井の涙腺が決壊した。「感極まるものがあった。実感がない。自分1人では成し遂げられなかった」と、感謝の言葉が口をついた。

 酷暑の連投。序盤は球が浮き、二回に今大会で初めて先制を許した。だが、なお2死一、二塁から三遊間を抜けようかという打球を遊撃・山本が好捕。ピンチを脱出すると、三回2死からは152キロの直球で見逃し三振。「三振を取りにいった」と勢いをつけると、集中打で逆転した四回の攻撃につなげた。

 入学時の最速は130キロ。制球もバラバラだった。誰よりも成長できたのは、誰よりも汗を流したから。100段以上の階段をタイム内で駆け上がる「水道山ダッシュ」では、吐きながら体をいじめ抜いた。昨夏県大会で登板しながら、甲子園ではベンチから外れた悔しさも糧に変えた。

 4月に肺がんで亡くなった祖父・敏夫さん(享年79)にも最高の報告ができる。六回1死一、二塁のピンチではマウンドでの円陣が解けると、バックスクリーンの方を向いて気を落ち着けた。自分に野球を教え「作新学院に入ったからには甲子園に行ってくれ」と話していた祖父。日本一になった孫は「栃木に帰ったら、甲子園の土を持ってお墓参りに行きたい」とかみ締めた。

 登板全試合で150キロ台を計測しての優勝は、12年の大阪桐蔭・藤浪(現阪神)以来。進路については「できるだけ上のレベルで続けていきたい」と話すにとどめたが、プロ志望届の提出は確実だ。

 昨秋は県4強、今春も県8強。今井は「このチームで甲子園に行けるのか心配だった。奇跡というぐらいに信じられない」と、素直な心境を明かした。一戦一戦成長して、つかんだ54年ぶりの大旗。一躍大会の主役に踊り出たエースが、その象徴だった。

最終更新:8月22日(月)9時17分

デイリースポーツ

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