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「飲み放題」は本当にお得なの? なぜお店はつぶれないの?

ZUU online 8月22日(月)17時10分配信

毎日暑い日が続きますね。

こんな日はビールが飲みたくなります。読者のみなさんは「飲み放題」のお店を利用されたことはありますか?「ああ、飲み放題!」お酒が大好きな人にとって、これほどうれしい言葉はありません。

でも、飲み放題は本当にお得なのでしょうか?
経済学の観点から見ていきましょう。

■ビール1杯目と4杯目では価値が違います

ビール1杯の値段は500円くらいですかね。「2000円で飲み放題」のお店を利用する場合は、4杯飲むと元が取れる計算です。

ビールを4杯飲もうとしたときの、お得感は、どんな感じになるのかを考えて見ましょう。

まず、1杯目は「うまい!」と感じますね。

渇いた喉にビールが流れ込んでいくのは、実に心地良いものです。500円の価値はあります。

2杯目も「うまいね」と感じます。

しかし、1杯目のビールの感じ方よりは、価値が下がります。そうですね。400円という感じでしょうか。

3杯目はどうでしょう。

さすがに1杯目、2杯目の美味しさはありません。ビールを飲みたいという意思額は、300円ぐらいになってきました。

では4杯目は?

ここで元が取れるのですが、そろそろいいかな? という感じがしてきます。ビールを飲みたいという意思額は200円くらいでしょうか。

いやいや、さすがにお腹もガボガボになってきました。

このように飲めば飲むほど「1杯の価値」は値下がりします。

■飲み放題・食べ放題は、損をするケースがほとんど

「2時間飲み放題」で1000円、1500円というプランもあります。1杯500円のビールで考えると、2~3杯で元が取れる計算ですね。でも、この手のプランは「2000円~3000円のコース料理」をあわせて注文しなければならない条件が付くことも少なくありません。

2500円のコース料理では、1品500円として1人あたり5品以上食べると元が取れます。4人なら20品です。さすがにこれだけ食べて、飲み放題というのは少しキツイのでは? 実際問題として、2500円のコース料理は、アラカルトより多く注文していることが少なくありません。

飲み放題、食べ放題は「半数以上」の人が損をしています。私たちが損をするということは、お店が得をしているということです。だから、お店の経営が成り立つわけですね。

■時間制限で客回転を上げることができる

お店にとって、時間制限は客の回転を上げるのに都合の良い制度です。

多くのお店は、お客が何時に帰るのかは分かりません。ですから2回転目のお客の予約を受けづらい面があります。しかし、1時間半でラストオーダーを取り、2時間で終了と分かっていれば、2回転目の予約を入れやすくなります。

時間制限は、お店を経営するうえで優れたシステムなのです。

■ご存知ですか? お店が注文して欲しい飲み物とは

飲み放題のお店が「儲かる飲み物」って何だと思いますか?

答えは「焼酎」「サワー・カクテル類」です。お店によって事情は異なりますが、一般的に焼酎は一升瓶(1800ミリリットル)で2000円前後です。1杯当たり約90ミリリットルとすると、一升瓶から20杯取ることができます。1杯100円程度ですが、氷を入れたり、水を入れたり、ウーロン茶を入れて400~600円で売っているので利益率は高くなりますね。

ビールは、2リットルの樽を2000円で仕入れますから、1杯が200円、泡を考えると、ジョッキ1杯150円ぐらいでしょうか。

日本酒もワインも同じような感じです。

ソフトドリンクは、原価率は高いのですが、何杯もお替わりする人は少ないのではないでしょうか。

■食べ放題で「一番合理的な食べ方」とは?

飲み放題、食べ放題のお店では、どんな食べ方が一番合理的なのでしょうか?

とにかく頑張って食べる? ……違います。

飲み放題だからといって、全力で飲んでしまうと翌日の仕事に影響を与えかねません。食べ過ぎて、身体のバランスを崩してしまうと、かえって体調を回復させるのに余計なコストを強いられることもあります。

「サンク・コスト」覚えてますか?

これまで何度も紹介したので、読者のみなさんはご存知ですね。経済学では、一度払って取り戻せない費用のことを「サンク・コスト(埋没費用)」といいます。

飲み放題、食べ放題などと意識せずに「食べたいものを食べたいだけ食べる」のが合理的です。いくら食べても、飲んでも、お金を取り戻すことはできないのですから。

美味しく飲んで、美味しく食べて、楽しい時間を過ごしましょう。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

最終更新:8月22日(月)17時10分

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