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【体操】白井の前に立ちはだかる内村の“高い壁”

東スポWeb 8月22日(月)16時14分配信

 ハードルは相当に高そうだ。3大会ぶりに団体総合で金メダルに輝いた体操男子代表は、4年後の東京五輪に向けて、今後は新エース候補の白井健三(19=日体大)を中心としたチーム編成になる。これまでエースに君臨してきた内村航平(27=コナミスポーツ)から“キングのDNA”が伝授されることになるが、スムーズにその座が禅譲されるわけではない。白井の前には、とてつもなく高い壁が立ちはだかる。

 リオ五輪で予選、団体決勝、個人総合のすべてで6種目を演じた内村は20日に帰国し「あらゆるところが痛い」と苦笑した。今後はひとまず休養を取る方針で、4年後に関しては「バトンは渡せたと思うし、東京で僕がチームを引っ張ることはない。僕は僕なりに自分の道を突き進んでいこうかなと思う」とした。

 東京五輪での新エースの筆頭候補は言うまでもなく白井だ。2013年に鮮烈な印象で世に出た体操界のホープは、内村でさえ一目置く存在。いち早くその才能に目をつけ、内村はエースとしての“英才教育”を施してきた。

「13年の世界選手権で帰国する前日に、2人は体操について寝ずに語り合ったと聞いています。内村は『Dスコア(技の難度点)をもっと上げるには、こうすればいいのではないか』と、たくさんのアイデアを伝授したとか。それに対して白井も夢中になって体操トークを楽しんだそうですよ」(体操関係者)

 内村も当時のことは記憶に残っている。本紙の取材に対しても「あまり詳しくは覚えていませんが、健三にしかできないことは、どんどんやっていってほしいということは言いました」と明かした。国内の公開練習やリオ五輪期間中でも、常にといっていいほど内村は白井のそばにいた。かわいい後輩というだけではなく、自身の体操哲学を伝授していたのは想像に難くない。ただ、すんなりエースの座を禅譲するというわけでもなさそうだ。内村は「気持ち的に上がらない。自分の中では、やり切った。気持ちが上がらないと体もついてこない」とも話しているが、いま一度気力を奮い立たせて、自ら白井の壁になって立ちふさがる可能性も十分にある。

 内村の幼なじみは「航平君の体操愛は、すさまじいですからね。自分のO脚気味の足が『美しく見えない』って不満で、寝る前にロープで縛って矯正しようとしていましたからね。そんなストイックすぎる体操選手はいませんよ(笑い)」と証言する。その衰え知らずの体操への愛が、王国作りのカギになりそうだ。

最終更新:8月22日(月)16時14分

東スポWeb