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美しい風景求め放浪 福島の山下清展 おいの浩さん講演

福島民報 8/22(月) 12:19配信

 画家・山下清(1922~71年)のおいで、作品管理事務局代表の山下浩さん(55)の講演会は21日、福島市のとうほう・みんなの文化センター(県文化センター)で開かれた。浩さんは「叔父は絵を描くためではなく、美しい風景を見るために放浪した。流行やコンセプトは関係なく、心に残った風景を形にした」と話し、清の作品ににじむ素朴さの理由を解説した。
 同センターで開催中の「没後45年 放浪の天才画家 山下清展」の関連イベント。浩さんは昭和35年、清の実弟・辰造の長男として生まれ、清が49歳で亡くなるまで同居した。
 講演では、言語障害を理由にいじめを受け、殻に閉じこもっていた子ども時代の清が「貼絵と出会い、芸術の力で心を開いていった」と説明。画材を持たず、美しい風景を求めて当時の養護施設を飛び出したと語った。
 代名詞となった放浪について「見ず知らずの所へ行って働いたり、食べ物をもらったり。人を疑わずに誰かを助ける、そんな『昭和』という時代に助けられた」と話した。
 清は欧州旅行での作品、遺作の「東海道五十三次」など円熟期から晩年にかけて大作を残した。浩さんは「生前に絵が売れなかったゴッホを『かわいそうだ』と言っていた」という逸話を紹介。一人の芸術家として「仕事をして評価されるのが一番うれしかったのではないか」と話した。
 家族旅行やスーツを着込んだ写真なども紹介し、清の生活ぶりを伝えた。

■県民の日イベント ヒマワリの種配布

 展覧会場では、県民に元気を届けるスマイルとうほくプロジェクト「県民の日イベント」として、活動のシンボルであるヒマワリの種を来場者に配布した。
 会場の一角にコーナーを設け、自由に手に取れるよう種を置いた。種は6月、県内の若手経営者でつくるNPO法人チームふくしまから福島民報社に贈られた。
 コーナーではプロジェクトの活動を紹介するパネルも展示した。

■1日で1000人超来場 夏休み最後の週末

 21日は子どもの夏休み最後の週末とあって家族連れらが大勢訪れ、1日の来場者が1000人を超えるにぎわいとなった。
 会場では山下の少年期から晩年までの作品約130点、リュックサックなどの愛用品を展示している。
 福島民報社主催、県文化振興財団の共催、JA共済連福島の協賛。福島民報プレ創刊125周年記念事業。9月18日まで。開館時間は午前10時から午後5時(最終入館は午後4時半)まで。観覧料は大人1000円、中高生500円、小学生以下は無料。問い合わせは福島民報社事業局 電話024(531)4171へ。

福島民報社

最終更新:8/22(月) 12:23

福島民報