ここから本文です

コレ1枚で分かる「M2MとIoTの違い」

ITmedia エンタープライズ 8月22日(月)14時16分配信

●“クローズド”なM2Mと“オープン”なIoT

 モノにセンサーを組み込み、データを収集して監視するという仕組みは、IoT(Internet of Things)という言葉が登場するはるか以前からありました。1964年に開通した新幹線、1974年に運用が始まった「地域気象観測システム(アメダス)」、1970年代に始まった生産設備の自動化などでも同様の仕組みが使われていました。

【画像】コレ1枚で分かる「M2MとIoTの違い」

 しかし、それらはどれも特定の業務目的に特化した仕組みで、他のサービスで再利用されるといったことは想定されていませんでした。このような仕組みは、やがてM2M(エム・ツー・エム:Machine to Machine)と呼ばれるようになります。

 その後、センサーやコンピュータの小型・高性能化、低価格化が進み、通信も高速・高性能化とともに、料金が大幅に下がりました。また、インターネットやクラウドの普及とともに、M2Mの適用領域は大きく広がります。そして、さまざまな「モノ」がインターネットに接続され、さらにはモノ同士がお互いにつながるようになり、IoTという用語がM2Mに置き換わるように広く使われるようになりました。

 IoTという用語は、1999年に無線ICタグの専門家であるケビン・アシュトンが初めて使ったとされています。彼は当初、無線ICタグを使った商品管理システムをインターネットに例えたものだったようですが、その後、商品だけではなくさまざまなモノをインターネットにつなぐ概念として転用されたといわれています。

 IoTがかつてのM2Mと本質的に違うのは、センサーを搭載した機械やモノの数が桁違いに多いことに加え、インターネットやクラウドというオープンな仕組みの上で使われることです。これにより、企業は自社以外の企業ともつながり、新たな組み合せを生み出すこともできるのです。例えば、

・スマートフォンのGPSを使えば、自分の位置が分かります。そんなGPSのデータを大量に集め、その移動時間やルートを解析することで、地図上に「道路の渋滞状況」を表示させることができます。
・自動車に組み込まれたセンサーによって運転手の運転の仕方を分析し、運転手ごとに省エネ運転や安全運転のアドバイスを行うことができます。さらにそのデータを保険会社と共有することで、安全運転をしている運転手の保険料を割り引く自動車保険が登場しています。
・損保会社は、気象情報企業が集めた気象データを用いることで、将来における住宅や設備の損害請求を予測し、悪天候や災害が起こるリスクや影響を地域ごとに定量化することができます。さらにそのリスク情報に基づいて、契約者個別の保険内容を組むことや、財務上のリスクを減らすための取り組みができるようになります。また、天候の悪化が予想される地域を走行しているドライバーにスマートフォンから注意を促し、近辺のスターバックスでやり過ごすように促し、そのための割引クーポンを発行するといったこともできるようになります。それによって事故を未然に防ぎ、保険料の支払いを減らすことができます。

 データでさまざまなサービスがつながることで、IoTはビジネスに新しい組合せを生み出すエコシステムを築きます。それが、これまでにはなかった便利で効率のよいサービスや社会システムを登場させる基盤となるのです。

ネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。

最終更新:8月22日(月)14時16分

ITmedia エンタープライズ