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初の海外共作『レッドタートル ある島の物語』で見えたジブリの「未来」

dmenu映画 8/22(月) 10:50配信

『思い出のマーニー』以来、2年ぶりとなるスタジオジブリの最新作『レッドタートル ある島の物語』が9月17日から公開されます。長くジブリで作品を手掛け、アニメーション映画界を牽引してきた巨匠・宮崎駿監督が長編映画からの引退を宣言し、ジブリの制作部門も解散している現在。世界中に影響を与えてきたジブリが手掛ける最新作は、海外との共同制作という初の試みで作られました。ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが10年前から構想を温め、高畑勲がアーティスティックプロデューサーとして参加した今作。今後のジブリはまだまだ良作を生み出していくだろうと、大きな期待を確信できる作品です。

人間が本当に必要なものとは?

ジブリがフランスの制作会社と共同で作り、イギリスを拠点に活動するアニメーター/イラストレーターのマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督によって手掛けられた最新作『レッドタートル ある島の物語』。自然と共存する人間のいのちについて、一切のセリフなしでアニメーション映像が雄弁に物語ります。ヨーロッパ各国のクリエイターによって制作された効果でしょうか、セリフやナレーションがなくてもストーリー性溢れる絵の力に圧倒されてしまいます。

大荒れの海から奇跡的に一命をとりとめ、ある無人島に辿りついた男。どこから来たのか何をしている人なのか、なんの説明もありません。時代背景まで不明なまま、まるで海から生まれたかのように真っ新な状態の男は、島で極限のサバイバル生活をはじめます。

何度も島を脱出しようとするものの失敗。今度こそ、と思った矢先に不思議な“赤い亀”に邪魔されてしまいますが、その後、それも運命だったかのように謎の女が島に現れます。女と出会った男の態度は一変。島を脱出しようとするのをやめて女と島に定住し、息子も誕生します。

無人島で野ざらしにされ、大自然と共に送る生活の中で浮き彫りになる、人間に最低限必要なもの。極限まで追い込まれる生活環境ですが、魚を獲って食べ、昼は海で泳ぎ、夜は星を見て過ごし、互いに協力し合って暮らす家族3人は、とても幸せそう。何か言葉を発しようとしている場面では、目線やしぐさだけで自然と心情が理解できるアニメーション映像に驚かされます。

今までにナウシカやキキ、サンや千尋など、たくさんの少女がヒーローとなり活躍してきたジブリ作品。今作に登場する大人の女は、男が島で生き抜くきっかけを作り、頼もしい息子を育てるという2人の男を生かすために現れたような、神秘的な存在として描かれています。

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最終更新:8/22(月) 10:50

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