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楫取の銅像完成 前橋公園で除幕式

上毛新聞 8月22日(月)6時0分配信

ゆかりの松陰短刀も登場

 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」で脚光を浴びた初代県令・楫取素彦(かとりもとひこ)を顕彰する銅像「楫取素彦と松陰の短刀」が完成し、21日、群馬県前橋市の前橋公園芝生広場で除幕式が行われた。式典では、銅像で表現した吉田松陰の短刀が市に寄託されることも明らかになり、関係者約120人が後世に歴史を引き継ぐことを誓った。

 銅像建立委員会の会長を務める山本龍市長は「多くの善意で、歴史の一歩をこの地に記すことができた」とあいさつ。楫取の子孫にあたる楫取能彦さんや小田村初男さんらが除幕した。

 銅像は、生糸を直輸出するために渡米する現在の桐生市の実業家、新井領一郎に、楫取の最初の妻・寿(ひさ)が、渡米の夢がかなわなかった兄、吉田松陰の形見の短刀を託す場面を表したもの。2人と楫取、新井の兄で製糸家の星野長太郎の計4人が、高さ約170センチの等身大で作られた。

 制作した前橋市在住の彫刻家、三谷慎さんは「彫刻として存在感を持たせるために立像にした。寿は松陰の思いを短刀に込めて差し出している」と作品に込めた思いを語った。

 新井の子孫で、米・カリフォルニア在住のティム新井さんは「先祖は日本の製品に対する海外の信頼を勝ち取った。短刀だけでなく、松陰の精神も受け継いだ」とたたえた。松陰のものと見られる短刀の拵(こしら)え部分をサプライズで持参し、能彦さんに手渡した。「家にしまっておくのはもったいない。魂の入った短刀を見て、若い人に何か学んでほしい」と市に寄託して公開する考えを明らかにした。

 銅像建立を巡っては、実行委員会が昨年5月から募金活動を開始。一時は目標額の2500万円に届かず、市が補正予算で穴埋めをすることになっていたが、受け入れ期間を延長したところ、計350の個人、法人から目標を超える2618万6657円が寄せられた。

最終更新:8月22日(月)6時0分

上毛新聞