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【乗りもの豆知識】炎天下の鉄道レール、「ゆがみ」が出るのは何℃から?

乗りものニュース 8月22日(月)6時0分配信

在来線も新幹線もレールの上限温度は同じ

「線路にゆがみ 運転見合わせ」――夏になるとしばしば耳にする鉄道のニュースです。2016年8月10日(水)は佐賀県内の長崎本線で、8月14日(日)には福岡県内の久大本線で、それぞれレールにゆがみが見つかり、一時運転を見合わせました。両方とも現地では、その日の最高気温が35℃を超える猛暑日に。レールのゆがみはこの暑さによるものとみられています。

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 レールは鉄でできており、暑いと伸びて寒いと縮みます。四季のある日本では、寒暖による伸縮を考慮してレールとレールのあいだに「遊間」と呼ばれるすき間を作るなどの敷設、線路が敷設されていますが、そもそもレール自体は何℃までなら大丈夫なのでしょうか。

 鉄道に関する研究開発、調査などを手掛けるJRグループの公益財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)によると、一般的なレールの、設計上の上限温度は60℃とのこと。つまり、レールそのものの温度が60℃を超えるとゆがむ可能性が生じるといいます。

 新幹線でもこの上限温度は同じです。しかし高速で走行する新幹線は、レールが少しでもゆがむと大事故につながりかねません。そのため、日常から厳しい基準で管理されており、「結果として在来線よりも、熱によるレールのゆがみに強い構造になっている」(広報担当)そうです。

 レールが伸びてゆがもうとしても、通常、レールは枕木にしっかり固定されており、枕木はバラスト(線路に敷かれた石)にしっかり支えられています。バラストのなかでずれにくいよう枕木は寸法や重量の大きいものが採用されていたり、突起が付いていたり、バラストはその盛り方が工夫されていたりします。ロングレールや伸縮継目などとともに、現在も乗り心地が良く、騒音が少なく、安全で強い線路の研究、開発が続けられています。

太田幸宏(乗りものニュース編集部)

最終更新:8月22日(月)13時55分

乗りものニュース