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プロが絶賛する養浩館庭園の魅力 吉村和敏氏「絵画的な美しさがある」

福井新聞ONLINE 8月22日(月)17時46分配信

 福井市の国名勝「養浩館庭園」の魅力を造園家、建築家、写真家がそれぞれの視点で語り合うシンポジウムが21日、同市の県国際交流会館で開かれた。基調講演やパネル討論を通して、多くの専門家が庭園の木々や石、池と建物が一体化している点を指摘。福井のまち全体の魅力につながると来場者に呼び掛けた。

 1993年に庭園の一般公開が始まってから20年余りたったことを受け、市は2015年度に今後20年間の保存活用計画を策定した。市民に庭園や計画に理解を深めてもらおうと、市と一般財団法人自治総合センターが企画し、市民ら約140人が集まった。

 基調講演した造園家で京都造形芸術大教授の尼崎博正氏は、芝原上水など城下町のインフラ整備と共に庭園が造られ、明治以降は貴賓をもてなす場となった歴史的な経緯を説明した。「(建物からの眺めが)水に浮いているような感じは大きな特徴。周辺のまちなかの至る所に親水空間があり、水系全体に魅力がちりばめられている」と語った。

 文化財庭園の保存・整備が専門で計画の策定委員長を務めた同大教授の仲隆裕氏は、戦災・震災以前の敷地の広さに近い範囲まで拡大整備する構想を紹介した。

 パネル討論では、京都工芸繊維大名誉教授の日向進氏が、古い絵図を参考に遺構をそのまま活用して復元されている点に注目。「かつての建物から庭がどのように見えていたかが追体験できる」と述べた。御茶屋などの建物を取り上げた日本建築専門学校長の吉江勝郎氏は「格調高い書院造りの要素を維持しながら、数寄屋造りの穏やかなたたずまいと軽快さを兼ね備えている」と評価した。

 国内外で風景と人々の暮らしをテーマに撮影を続けている写真家の吉村和敏氏は「伝統的な日本の美しい景観が残されており、モノクロで撮りたくなる絵画的な美しさがある」と話し、外国人観光客を引き付ける力があると絶賛した。

福井新聞社

最終更新:8月22日(月)17時46分

福井新聞ONLINE