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伝統レシピ初公開 富士屋ホテルが出版

カナロコ by 神奈川新聞 8月22日(月)15時16分配信

 日本有数の老舗クラシックホテルである富士屋ホテル(箱根町宮ノ下)が伝統のレシピを初公開する本を出版した。1878(明治11)年、外国人専用リゾートホテルの草分けとして開業以来、「コンソメスープ」をはじめ、守り続けてきた伝統の味の作り方を伝授。「昔ながらに手間暇をかけて毎日、確実に作っていることを知ってもらえれば」と監修した同ホテルの北村雅之料理長は話している。

 出版されたのは「富士屋ホテル 伝統のレシピ」(河出書房新社、税別1600円)。同ホテルには、100年以上前からの手書きのクック・ブック数十冊が残されている。「当時の人がいなくなって分からなくなっていることもある。レシピ本をひもとき、社員みんなで自分たちの伝統を見直すきっかけにしようと取り組んだ」と同ホテルの趙(チョウ)昶賢(チャンヒョン)広報マネージャーは話す。

 収められたレシピは朝食、ランチ、ベーカリー、スイーツ、ディナーなどに分け約50種。洋風ホテルながら、みりんとしょうゆを使った和風ソースの「虹鱒(にじます)富士屋風」、他にはないというカリッと揚げた「フレンチトースト富士屋風」などホテル名を冠した独自アレンジの料理も多数収録した。

 人気メニューのビーフカレーやナポリタンの味を支える手間暇かけたソース作りも公開。家庭で作るには少々敷居の高い料理もあるが、サウザンアイランド・ドレッシングやツナステーキサンドなどすぐ試せそうなレシピもある。

 ホテル内には創業以来からの水源があり、天然の良質な湧き水が料理に欠かせない食材の一つという。本にはそんな湧き水や食器、メニューカードにまつわる逸話が多数挿入され、老舗ホテルの歴史に触れる一冊にもなっている。

 「虹鱒の料理は芦ノ湖を抱える箱根の地産地消を重視して先人が生み出したのだと思う。これからも昔ながらに手間暇をかけて伝統を大切にしたい」と北村料理長は話した。

 本は全国の書店と同ホテルで販売中。問い合わせは、同ホテル電話0460(82)2211。

最終更新:8月22日(月)15時16分

カナロコ by 神奈川新聞