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リオデジャネイロ五輪閉幕 出場選手にかけるべき言葉とは?

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO) 8月23日(火)8時51分配信

ひどい失敗をしてしまった。リオデジャネイロ五輪の女子ゴルフでメダリストが決定した日の夜、オリンピックの公式タイムキーパーであるオメガ社が主催したあるパーティでの出来事だ。

【画像】キャディの足元にも日の丸!

閉会式を翌日に控えた会場には陽気なダンスミュージックが流れ、フロアは、酒と踊りと解放感に満ちていた。すでに競技を終えたであろうアスリートたちも姿を見せていた。知人がアメリカ代表のジャージに身を包んだボート競技の選手と顔見知りだったので、流れで話に加わった。

彼は背が高く、とても気さくな雰囲気だった。お酒が入っていたこともあり、自分はなんの気なしにこう聞いたのだ。

「メダルは獲った?」

その瞬間、額に手を当てて上半身をのけぞらし、彼は顔を歪めた。指で“あと少し”というジェスチャーをしたのだが、自分は、自分がしてしまったデリカシーのない質問に動揺し、必死でフォローし続けることになった。だが当然、その失点を挽回することは難しかった。

そういえば、会場に着いた際、会う人会う人から、「おめでとう!」と声を掛けられていた。その時は、「誰か有名な日本人選手のことでも祝福してくれているのかな?」と思っていたが、どうやら違ったようだ。

この場では、取材帰りのアウトドアウェアで日に焼けた、“もしかしたらアスリート”かもしれない得体の知れない日本人に対しても、「おめでとう!」というのが理にかなった挨拶だったのだ。メダルを獲っていればなおさら、メダルがなくてもオリンピアンなら適切だし、オリンピアンでなかったとしても「おめでとう!」なら悪い気はしないのだから。

「私たちはオリンピックに、お互いを称え合うために来ているの」とは、女子ゴルフで銀メダルを獲得した19歳リディア・コー(ニュージーランド)の言葉だ。メダルは金・銀・銅の3つしかなく、高額な賞金もないけれど、やっぱりオリンピックには特別な魔力がある。

205カ国・地域から28競技の306種目に約1万人の選手が出場。さまざまな望み、背景、使命を携えて臨んだ彼らは、閉幕したリオ五輪を経て「オリンピアン」という世界中で賞賛される存在となった。

112年ぶりに五輪復帰したゴルフ競技に、日本から出場した片山晋呉、池田勇太、大山志保、野村敏京の4選手。大会前の不穏な現地情報にめげず、幾多の準備不足や手違いを乗り越えて、ブラジル・リオデジャネイロの地で日本代表として戦った。

自分本来のプレーが出来なかったり、メダルに届かず悔しい思いをしたりもした。「ありがとう」というのはなんとなくおこがましい。「残念」、「惜しかった」という言葉もあるけれど、最後はやっぱり「おめでとう」で良いと思った。日本にはたった4人しか存在しないゴルファーのオリンピアンとして歴史にその名を刻んだのだ。次にこのリストに名前を加えるためには、4年後の2020年まで待たねばならない。(ブラジル・リオデジャネイロ/今岡涼太)

最終更新:8月23日(火)12時58分

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)