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<鉄鋼>円高で赤字続出 大手各社もろさ露呈

まんたんウェブ 8月23日(火)15時22分配信

 中国の過剰生産により大混乱に陥った鉄鋼市況。それでも日本メーカーは、高級鋼にシフトし利益を確保してきた。しかし春先からの円高で採算は一気に悪化。海外メーカーより比較優位と言われていたが、その脆弱(ぜいじゃく)さが明らかになった。【経済界】

 ◇中国発の市況悪化でも黒字を確保してきたが

 「急激な円高で……」。鉄鋼大手の担当役員が異口同音にこの4~6月期決算の悪化要因を説明する。新日鉄住金をはじめ、JFEホールディングス、神戸製鋼所、日新製鋼と鉄鋼大手が軒並み最終赤字に転落。いずれもその要因の一つに春先から一段と進んだ円高を挙げる。

 新日鉄住金の4~6月期決算は120億円の経常赤字。実に4年ぶりの赤字転落だ。中国の過剰生産による鋼材マーケット悪化の影響も大きかったが、為替が10円の円高となったことにより、製鉄事業だけで前年同期比330億円のマイナス要因が発生。つまり、為替が前年並みなら黒字は確保できた計算になる。状況はJFEや神戸製鋼なども同様だ。神戸製鋼は経常損益こそ黒字を確保したが、鉄鋼事業に限れば大赤字だ。

 昨年は中国を震源とするマーケットの悪化で、当の中国をはじめ世界中の鉄鋼企業が大きな損害を受けた。欧州では製鉄所の休止や1000人単位での雇用削減などが社会問題化。伊勢志摩サミットでは、首脳宣言に中国が過剰生産・過剰輸出をやめるよう、協調して圧力をかけることなどが盛り込まれたほどだ。

 これに対し、日本の鉄鋼メーカーは2016年3月期決算で減益とはいえ、一定程度の黒字を確保。世界最大手のアルセロール・ミタルや韓国のポスコなど、赤字に転落した競合相手に対し、「日本企業も悪化しているが、それでも海外企業に対しては比較優位にある」(鉄鋼大手首脳)と自信満々だった。中国企業などが製造する汎用(はんよう)品とは一線を画し、自動車の軽量化に資する「ハイテン材」や腐食に強い「シームレス鋼管」など高級鋼の生産に傾注。「長期間、安定的に高品質の鋼材をタイムリーに顧客に供給する」(鉄鋼大手関係者)という体制、さらには02年のJFE、12年の新日鉄住金の誕生と業界再編が進み、設備集約や合理化などの統合効果で企業体質が強化されたことが、その自信の背景になっている。

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最終更新:8月23日(火)17時40分

まんたんウェブ

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