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沖縄本島中北部の基地強化加速 米軍の伊江島着陸帯拡張、「辺野古」見据え足場固めか

琉球新報 8月23日(火)5時2分配信

 米軍伊江島補助飛行場(沖縄県伊江村)の着陸帯の拡張工事が22日に始まった。着陸帯では米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイやステルス戦闘機F35の運用が予定される。県内では7月、沖縄防衛局が米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設工事も2年ぶりに再開した。完成後は同訓練場でもオスプレイの離着陸訓練が本格化する。名護市辺野古の新基地建設は膠着(こうちゃく)が続く一方、辺野古新基地を新たな足場として飛行訓練が行われる北部訓練場や伊江島補助飛行場などの施設整備は、着々と進む。「改修」や「移設」を名目に、本島中北部の米軍基地の機能強化が図られている。
 市民の激しい抗議活動が続く北部訓練場のヘリパッド移設工事。日米両政府は移設を完了すれば訓練場の過半に当たる約4千ヘクタールを返還できるとして、沖縄の負担軽減を強調する。一方、米軍の文書によると、移設には基地の機能強化の狙いがあることが浮かび上がる。
 「最大51%の『使用不可能』な訓練場を日本政府に返還し、限られた土地を最大限に活用する訓練場を新たに開発する」。米海兵隊が2013年にまとめた基地運用計画「戦略展望2025」では、北部訓練場のヘリパッド移設計画をこう説明している。
 計画は既存の訓練場内にある七つのヘリパッドのうち六つを移設する内容だ。
 米軍関係者は既存のヘリパッドについて「建設から何十年もたっていて、もはや使い物にならない」と説明、沖縄防衛局が新設するヘリパッドでは「オスプレイの訓練ができる」と明言する。だが部分返還とヘリパッドが移設された1996年当時やその後の環境影響評価は、オスプレイの運用を伏せていた。
 うち「G地区」と呼ばれる場所に新設される着陸帯は、返還合意後に米軍に追加提供された北東の近隣水域と「歩行訓練ルート」で結ぶ。ヘリの離着陸だけでなく、着陸帯と水域を一帯で使う上陸訓練など、新たな訓練に対応する計画だ。
 着陸帯の拡張工事が始まった伊江島ではオスプレイに加え、F35戦闘機の離着陸訓練も行われる。
 米軍によると、工事はF35やオスプレイの運用に伴う「低空飛行ジェット機の爆風や気流の渦」による機体や施設の破損防止が目的だ。嘉手納基地では米海兵隊の半年ごとの部隊展開計画(UDP)を支えるため、F35用の格納庫が整備される計画だ。
 普天間飛行場の航空基地機能に加え、高速輸送船も配備されることが判明している辺野古新基地を拠点として、本島中北部の米軍基地の一体的な機能強化が加速している。(島袋良太)

琉球新報社

最終更新:8月23日(火)5時2分

琉球新報