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【日本株投資戦略】株主優待(8月優待)銘柄ラストチェック!~その「優待銘柄」は本当に買ってよいの?

ZUU online 8月23日(火)10時0分配信

日経平均株価は8/12(金)に一時16,943円まで上昇し、6/1(水)以来の高値水準を回復していましたが、ここにきて外為市場で円高が加速し、株価の下げる局面が増えるなど波乱の様相が強まりつつあります。ただ、波乱で株価が下がると中長期保有を前提にしている投資家の中には、投資好機と捉える向きも増えてきそうです。

今回の「日本株投資戦略」では、株主優待について考えてみたいと思います。同時に配当についても加味したいと思います。8/26(金)には96社の上場銘柄(2月・8月決算銘柄)が、9/27(火)には379社(3月・9月決算銘柄)が「権利付最終日」を迎えますので、株主優待や配当について考えるには悪くない時期だと考えられます。

株式相場に波乱の芽が出てきた今だからこそ、値上がり益の追求だけでなく、株主優待や配当など他の収益についても再検討することで、株式投資のパフォーマンスを一層上げることが可能になると「日本株投資戦略」では考えています。特に今回は8/26(金)に「権利付最終日」が接近している銘柄について「最終チェック」を行い、投資の可否のひとつの材料にしていただきたいと考えています。

■投資家に「人気」の株主優待(8月)銘柄はコレ!?

表1は当社Webサイト上の「国内株式」内に設置されている「株主優待検索」ページから、8月が権利確定月になっている銘柄を「閲覧回数順」にソートし、その回数の多い銘柄について上位15銘柄を並べたものです。それらの銘柄について株価と最低投資単位で投資した場合の株主優待内容を記載しております。

最近、株主優待はそれを享受して生活を楽しむ著名投資家や各種メディアによる紹介もあり、多くの投資家の関心を集めているようです。しかし、「魅力ある株主優待」を考える時、投資家によって「投資余力」も「投資スタンス」も「生活スタイル」も「好み」もそれぞれ異なると思いますので、魅力を感じられる株主優待内容も「人それぞれ」であるのが現実だと思います。だとすれば、様々な投資家が数多く閲覧している銘柄には、それ相応の意味があると考えられます。

経済効率的には無論、なるべく少ない投資金額で権利を確保でき、優待と配当を合わせた総合利回りが高ければ、満足度は高くなると考えられます。しかし、「魅力ある株主優待」はそれだけでは決まらないとみられます。知名度や業績面で安心感のある銘柄であることや、優待内容がその投資家にとって有用性の高いものであることも重要な要素だと考えられます。

表1では「閲覧回数」の多い上位銘柄について株価と優待内容しかご紹介しておりませんが、次項では会社概要や足元の業績、配当の状況等をチャートや投資ポイントの解説とともにご紹介(上位5銘柄)しています。閲覧回数が多い銘柄を単純に「魅力ある株主優待」銘柄と考えるのではなく、より総合的に判断していただければと思います。

なお、8月を権利確定月とする銘柄の権利付最終日は多く(表1銘柄はすべて)が8/26(金)と接近しており、それを過ぎて買い付けても権利は享受できませんのでご注意ください。また、権利付最終日に向けて買い需要が増えやすい反面、「権利落ち」以降はそれが剥げ、株価が下がりやすくなる面がありますので併せてご注意ください。

なお、機会を改めて「9月優待」銘柄についても考察したいと思います。

表1:投資家に「人気」の株主優待(8月)銘柄はコレ!?

クリエイト・レストランツ・ホールディングス <3387> 3,000円相当の優待食事券
吉野家ホールディングス <9861> 飲食券(300円)×10枚
エスフーズ <2292> オリジナル商品カタログ販売
ワッツ <2735> 自社PB商品10点詰め合わせ
イオン <8267> 株主優待カード(買物金額の3%返金)
コジマ <7513> 買物優待券(500円)×2枚
大庄 <9979> 優待飲食券(2,500円相当)他
ヤマト インターナショナル <8127> 1,000円相当の自社製品
鉄人化計画 <2404> 会員カードと飲食優待券(500円)×2枚
サイゼリヤ <7581> 2,000円相当の品物
MORESCO <5018> 1,000円相当のクオカード
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス <3222> 買物優待券(100円割引)×30枚
明光ネットワークジャパン <4668> 1,000円相当のクオカード
リンガーハッ <8200> 食事優待券(540円)×2枚
クラウディア <3607> 株主優待券(5~10%割引)

当社WebサイトのデータをもとにSBI証券が作成。当社Webサイトの株主優待検索ページで、8月が権利確定月になっている銘柄を「閲覧回数順」にソートし、その回数の多い銘柄について上位15銘柄を並べました。ただ、株主優待の権利を獲得するために保有期間に制限のある銘柄や、権利付最終日がすでに経過してしまった銘柄は除きました。

なお、上表の銘柄はすべて最低売買単位が100株となっています。なお「最低投資単位を保有した場合の株主優待(8月)内容(概要)」は、株主優待内容のポイントをご紹介しているものであり、その内容すべてを記載している訳ではありません。投資単位や保有期間により優待内容が異なるケースも多くあります。

※株主優待の内容、権利確定月、権利付最終日等は随時変更される可能性がありますので、最新の情報は必ず当該企業のホームページ等をご確認ください。

■「株主優待(8月)銘柄」の投資ポイント

各社株価データおよび決算短信をもとにSBI証券が作成。配当は上段が一株当金額(円)でそれらを株価で割った「利回り」が下段に百分率で表示されています。配当、営業益ともに予想は「会社予想」ベースです。なお、以下の各銘柄の表も同様です。

◆クリエイト・レストランツ・ホールディングス <3387>

●株主優待のポイント

100株保有でお食事券(3,000円)が1枚贈呈されます。2月末に権利が確定する分も合わせば年間6,000円分のお食事券が贈呈されることになります。「磯丸水産」など当社各店で使えます。予想配当利回り(年間)1.3%と合計すると、手厚い株主還元であると評価できそうです

●投資ポイント

創業19期目で売上高が1千億円を超えるなど急成長を遂げてきました。前期も新規出店108、M&Aによる増店109に撤退38店舗と店舗を純増させ、期末は795店舗に拡大しています。今期も第1四半期の営業利益は前年同期比16.7%増と好調なスタートです。急拡大してきましたので、収益面で店舗効率を維持することが一層重要になりそうです。

◆吉野家ホールディングス <9861>

●株主優待のポイント

100株保有で株主ご優待券(飲食券300円)が10枚(計3,000円分)贈呈されます。2月末権利も合わせれば年間6,000円分のご優待券が贈呈されることになります。主力業態「吉野家」で牛丼並盛は380円ですので、優待券をフル活用すれば相当回数使えそうです。

●投資ポイント

吉野家(国内1,199店、海外684)の他、はなまる(うどん)、京樽(寿司)などグループで3,000店舗弱を展開しています。第1四半期は前年同期比58.3%の営業減益でしたが、「はなまるうどん」の出店コスト等が響いたようです。2016/3~7の既存店売上高は前年同期比2.1%増と堅調なようです。もっとも、株主優待で人気の銘柄だけに予想PERは50倍近くあり、やや割高感が強まっています。

◆エスフーズ <2292>

●株主優待のポイント

100株以上保有の株主へ一律「自社グループの商品を優待価格にて特別販売」(カタログから)の権利が贈呈されます。また、2月末優待では500株以上保有で自社製品の贈呈があります。

●投資ポイント

第1四半期は前年同期比20.4%の営業増益でした。通期では13.9%の営業増益見通しですが、それと比較しても「上方修正含み」のスタートと言えそうです。アナリストは来期も2ケタ増益を予想しているようで、業績は好調と言えそうです。予想PERは13.3倍(8/18)と割高感は感じられず、株価も一時より下がっており、中長期保有も可能な銘柄と言えそうです。

◆ワッツ <2735>

●株主優待のポイント

8月末に100株以上保有の株主に対し、自社プライベート商品詰合せ(台所・衛生・掃除用品等)10点が贈呈されます。3年以上を継続保有した場合は20点になります。株主還元については継続した安定配当(連結配当性向20~30%が目処)を中心に考えています。

●投資ポイント

100円ショップの直営店舗展開が売上の8割超を占める中核業務になっています。業界第4位で出店・退店のコストを低く抑えるオペレーションが武器になっています。ファッション性を意識した店舗を増やすべく投資してきましたが、投資一巡で来期頃から利益率の向上につながりそうです。

また収益には逆風となりやすい円安が一巡したことも追い風と考えられます。既存店売上高(前年同月比)は上期+1.2%、下期(7月まで)+2.0%と回復傾向です。株価も1,000円前後でもみ合いに転じています。

◆イオン <8267>

●株主優待のポイント

100株以上保有する新規株主に対して案内書が送付され、「オーナーズカード」が発行されます。半期100万円を限度とする買物金額に対し、100株を保有する投資家なら3%(その他保有株数に応じて最大7%)のキャッシュバック(後日)を得られることになります。

100万円買い物した場合は3万円になりますので、イオンの店舗を頻繁に利用する投資家にとっては利用価値の高そうな優待と言えます。SBI証券でも、イオン株で初めて株式投資を始める投資家が多くなっています。

●投資ポイント

第1Qの営業利益は328億円で前年同期比5.8%の減益となりました。食品スーパー、ドラッグストア、ディスカウントショップ、金融などの事業は黒字ですが、総合スーパーが93億円の赤字で足を引っ張っています。業績改善への不安から足元の株価も低迷しています。今後「総合スーパー事業」のビジネスモデルをどう再構築していくのか、大きな課題になりそうです。

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

最終更新:8月23日(火)10時0分

ZUU online

チャート

クリエイト・レストランツ・ホールディングス3387
1026円、前日比-7円 - 9月30日 15時0分

チャート

吉野家ホールディングス9861
1450円、前日比-6円 - 9月30日 15時0分

チャート

S FOODS2292
2642円、前日比-15円 - 9月30日 15時0分