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美しきキリスト教の町、マウメレに忍び寄るイスラム原理主義 インドネシア

THE PAGE 9月4日(日)14時0分配信

 人口の9割近くをイスラム教徒が占めるインドネシアにあって、マウメレは異色のキリスト教徒の町。この地域を車で走ると、山の上に巨大なキリスト像が建てられていたりして、一般的なインドネシアのイメージとは違った、場違いな印象さえも受ける。

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 町の郊外にある、古いカトリック教会を訪れた。他に観光客もおらず、敷地はひっそりとしている。隣にある墓地には、聖母マリアやキリストを描いたカラフルなタイル絵をあしらった墓石が並び、南国の雰囲気を醸し出していた。

 16世紀にポルトガル商人たちによってこの国にもたらされたキリスト教が、イスラム社会と共存し生き残ってきたのは、憲法で宗教の自由を認め、政治をイスラム化しなかった政府の政策によるところも大きい。しかし近年の「イスラム国(IS)」の台頭を始め、穏健なこの国にもイスラム原理主義の勢力が徐々に増しつつあるという。

 スマトラ島北端に位置する保守的なアチェ州では、昨年もキリスト教徒や教会に対する迫害が起こっているが、こういった異教徒締め出しの風潮が今後国内に広がっていく可能性もないとは言い切れない。日本を含めて世界中が保守化、右翼化していくこの現在、インドネシア政府は今後どんな対応を講じていくのだろうか。この美しい墓地や教会が破壊されるところなど、見たくはない。

(2014年10月撮影)

最終更新:9月5日(月)17時57分

THE PAGE