ここから本文です

サザン、ミスチル、嵐も賛同のチケット高額転売取引の防止表明

BARKS 8/23(火) 7:30配信

本日8月23日(火)、関東圏・関西圏・中京圏の朝日新聞および読売新聞の朝刊に、コンサート・ライブチケットの高額転売取引の防止を求める意見広告が掲載された。

◆プロジェクト オフィシャルサイト

この声明は、一般社団法人 日本音楽制作連盟、一般社団法人 日本音楽事業者協会、一般社団法人 コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体によって、115組の国内アーティストと24の国内音楽イベントの賛同を得て発表されたものだ。賛同するのは、サザンオールスターズ、Mr.Children、L'Arc~en~Ciel、嵐、福山雅治、B'z、安室奈美恵、山下達郎、中島みゆき、スピッツ、THE YELLOW MONKEY、ASIAN KUNG-FU GENERATION、BABYMETAL、西野カナといったアーティスト陣、そして、<FUJI ROCK FESTIVAL>、<a-nation>、<AIR JAM>、<ROCK IN JAPAN FESTIVAL>といった音楽フェス・イベントである。このラインナップからわかるように、音楽ジャンルや所属事務所という枠組みを越え、音楽業界全体にとっての大問題として捉えられているのが、現在横行しているこのチケットの高額転売問題である。

昨今唱えられているように、CDをはじめとする音楽ソフトの日本での売上は、1998年をピークに近年まで大幅に減少しているが、その一方で、ライブ市場が急成長を遂げている状況にある。音楽関係13団体が発行する『ライブ・エンタテインメント白書』によると、コンサートの総公演数自体も、2006年が47,632本だったのに対し2015年は56,042本と約1.2倍増加し、入場者数に関しても、2006年の2,454万人から2015年は4,486万人へと約1.8倍増加している。音楽ファンにとって、ライブや音楽フェスが“音楽をリアルに体験できる場所”として高く支持されている結果と言え、このようなライブ市場の活性化は喜ばしいことであるとともに、この急成長に伴い、チケットの転売ビジネスもかなりのスピードで大規模マーケットとなっていくことになる。

その具体的な問題点は、組織や個人主が利益目的でチケットを大量購入し、転売サイトを使用して通常の何十倍という高価格で取引を行い、多額の利益を得ていることだ。それによって、ファンが正規価格でチケットを購入できないという本末転倒の事態が発生してしまう。また、転売チケットを購入したファンが、ライブ当日に入場出来ないという被害も出ているようだ。既に一部のアーティストや音楽イベントでは、チケット転売防止対策として、顔認証システムやファンクラブで購入したチケットのみ転売可能な公式トレードサイトなど様々な施策が導入されているが、いずれもシステムの導入費用や当日のファンへの長時間拘束を要してしまうのが実際のところである。

声明の発起者達にとっては、ファンへ多大なる経済的負担がかかることで、ライブへの参加頻度の減少やグッズの購入機会の損出が生じるだけではなく、団体サイドも知らないところで数多くの不正取引が行われているという現状に危機感を感じているという。興行の数が増えれば増えるほど、こうした取引の機会も増え手法も多角化していくという、イタチごっこのような図式を描いているのかもしれない。

だがそれはすなわち、チケット転売取引に反対している人もいる一方で、それに賛成し転売取引システムを利用している人々がいるからでもある。そこで団体サイドの意識としては、今後、チケット転売取引システムが売上を伸ばしていく中で、音楽業界としてチケット転売取引問題と向き合い、従来のチケット販売システムや座席価格の一律問題などを見直し、体制を整えていく必要を感じているという。

以下が、主な代表者からのコメントとなる。

   ◆   ◆   ◆

「すべてのアーティスト、スタッフ は、一人でも多くの音楽ファンに最高のパフォーマンスを届けるために、日々努力を重ね、 活動しています。今日のチケット高額転売は、アーティストと音楽ファンとのこれまでの良好な関係を壊してしまう問題なのです。」──一般社団法人 日本音楽制作者連盟 理事長 門池三則

「本来、定価で手に入るはずのチケットが、一部の悪質な転売業者によって高額なものになり、しかもそれは新しいコンテンツ の創作のためには全く活かされないのです。そのような状況を深く憂慮するとともに、根絶に向けての努力を続けたいと思います。」── 一般社団法人 日本音楽事業者協会 専務理事 中井秀範

「コンサート数・動員数共に年々増加の一途であり、それはライブ活動がアーティストとファンにとっての重要度の高まりを 示しています。そんな中で、単に金銭利益だけが目的である一部の転売ヤーのために、アーティストとファンがどれだけ多く の犠牲を払っているかを少しでも知っていただきたいです。」── 一般社団法人 コンサートプロモーターズ協会 会長 中西健夫

   ◆   ◆   ◆

純粋に音楽を愛する多くの人たちが、一部の心ない利益目的のためだけのチケット転売ゲッター(転売ヤー)によって、チケットが買えなくなってしまったり、やむなく高い値段でチケットを買わざるを得ない状況になってしまうのは、どう考えても不健全な状況だ。経済的負担がコンサートへ向かう機会を減らしてしまったり、グッズの購入機会を失うことも起こりえるだろう。そういった転売を防ぐために、個人認証を行なう仕組みが導入されることも少なくないが、購入者本人しか入場が許されないという精神的犠牲を課せざるを得ない状況も決して良いものとはいえないだろう。

前述したように、さまざまなフォールドで活躍するたくさんのアーティストが「チケットの高額転売」に強い抵抗を示している。そしてそれは音楽の未来を奪う由々しき問題であるとしている。「いくら高額でも観たい」という音楽ファンの思い自体は誰からも阻害されるべきものではないが、モラルを超えての横暴な取引は、やはり様々な問題を噴出させるものだ。リスナーである我々も、今一度、意識を向けるべき避けてはいけない問題と言えそうだ。

最終更新:8/23(火) 7:30

BARKS

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

失うことで不完全さの中に美を見出した芸術家
画家のアリッサ・モンクスは、未知のもの、予想しえないもの、そして酷いものにでさえ、美とインスピレーションを見出します。彼女は詩的で個人的な語りで、自身が芸術家として、そして人間として成長する中で、人生、絵の具、キャンバスがどう関わりあってきたかを描きます。 [new]