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伊藤歩、情念漂う“悪女”役で光る存在感

オリコン 8月25日(木)8時40分配信

 松嶋菜々子主演のドラマ『営業部長 吉良奈津子』(フジテレビ系)で、主人公の家庭を壊そうとたくらむベビーシッター役を演じ、ネットで「悪女っぷりがすごい」、「あんなキレイな顔して怖い…」などなど、見る者に鳥肌を立たせまくっている出演者がいる。そう、女優の伊藤歩(36)だ。ドラマ界ではまだ馴染みが薄いかもしれないが、伊藤は93年に大林宣彦監督の映画『水の旅人―侍KIDS―』でデビューして以来、岩井俊二監督の『スワロウテイル』(96年)や行定勲監督の『きょうのできごと』(04年)など、映画を中心に活躍してきたベテラン女優。最近はドラマにも積極的に出演し、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系/14年)では、上戸彩演じる笹本紗和の不倫相手である北野裕一郎(斎藤工)の妻役として、偽装妊娠をしたり、自殺未遂を起こし夫をつなぎ留める…という鬼妻役がどハマり。そして、出演中の『営業部長~』でも情念漂う悪女役を好演し、女優としての評価と知名度をぐんぐん上げているのだ。今年でデビュー24年目を迎えた彼女の魅力に、改めて迫ってみたい。

【今作とは一変】華麗な肩出し花嫁姿の伊藤歩

◆若くして名匠たちの作品に出演、ミステリアスなイメージ築く

 伊藤はこれまで今村昌平監督の『カンゾー先生』(98年)や新藤兼人監督の『ふくろう』(04年)など、数々の名匠の作品に出演し、大物俳優たちと共演してきた。中でも、幻想的な世界観に定評のある岩井監督作品に多数出演(『スワロウテイル』、『リリイ・シュシュのすべて』、『花とアリス』)していることから、どこか透明感がありミステリアスな女優というイメージが定着している人も多いかもしれない。また、『リリイ~』の剃髪シーンの撮影では実際に丸坊主になったり、『ふくろう』ではヘアヌードに挑戦したり、要所要所で攻めた役柄を演じることが多く、そういったところも視聴者に独特の印象を与えている所以だろう。

 「言ってみれば、伊藤さんは“玄人受け”するんですね。でも、彼女の演技が一気にお茶の間に浸透したのは、やはり『昼顔』での“恐妻”演技でしょう(笑)。もちろんこのドラマは、美人妻がイケメンたちと不倫に溺れる…というのが一番の見どころですが、不倫ドラマだけに連れ合いにバレなければ面白くありません。そこへ登場したのが伊藤さんです。うっすらと夫の不倫に気づいているんですが、あえて『まさか浮気なんかしてないよね? そんなことしたら私、殺すよ? 相手の女…』とうそぶく。さらに不倫相手の紗和(上戸)には、般若の形相で罵倒する。最終的には夫に接触したら、私(伊藤)が死ぬまで慰謝料を月30万円払わせると誓約させるという、異常な行動力まで見せました。あの演技には、夫に裏切られた妻の怒りというより、“狂気”を感じさせましたね」(ドラマ制作会社スタッフ)

 現在、出演中のドラマ『営業部長~』では一転して、優しそうでおっとりしているベビーシッター役だが、松嶋の夫(原田泰造)を外に呼び出しては、「何となく…来て…下さらないような気がしていたので…」と思わせぶりにゆっくりとつぶやき、ついでにホロリと涙をこぼしたり、息子のために松嶋が作り置きしていた料理をこっそり捨ててしまったり…。その一方で、松嶋からの急な子どものお迎えの依頼電話には、優しい笑みを浮かべ「分かりました、おまかせください」と快く承諾し、見る者に恐怖を抱かせるのだ。

◆歌手デビュー経験があり、バラエティでは自由奔放…意外な素顔とのギャップ

 「さらに伊藤さんは、元JUDY AND MARYのYUKIさん、CHARAさんという2大女性ボーカリストが、なぜかツインドラムで参加するという、とんでもないガールズバンド・Mean Machine(ミーンマシーン)で、ボーカル・AyumiとしてCDデビューしたこともあります。活動の幅が異様に広いんですね。その一方で、ちょっと前の『SUNTORY OLD』のCMでは、國村隼さんの娘役として、娘を持つ父親なら誰もがグッとくる演技を見せていました。たまに出演するバラエティ番組では、おっとりしながらも自由奔放なキャラクターを発揮しています。そうしたギャップこそが、悪役をはじめさまざまな役柄を演じる伊藤さんの最大の魅力であり強みになっていると思います」(前出・スタッフ)

 現在“悪女”として注目を集める伊藤だが、映画『ジャッジ!』(14年)ではコテコテの田舎娘を。昨年、民放連ドラ初主演となった『婚活刑事』(日本テレビ系)では、婚活にいそしむものの愛する男はみな犯罪経験を持つ者ばかり…という風変わりなアラサー独女を好演。豊富な経験とルックスを武器に、今後どのようなハマり役に出会うのか? 非常に楽しみな女優のひとりである。

最終更新:8月25日(木)15時17分

オリコン

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。