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「食道アカラシア」に新治療法 岡山大病院、内視鏡を使用

山陽新聞デジタル 8月23日(火)9時39分配信

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は食道下部が狭くなり、食べ物をのみ込みにくくなる「食道アカラシア」で内視鏡を使った新しい治療を始めている。患者の体を傷つけず、根治が見込める画期的な方法だが、高い技術力が必要なため、実施施設は中四国地方では唯一という。

 食道アカラシアは食道の胃に近い部分の筋肉が緩まず、食べ物の通り道が狭くなる病気。原因不明とされ、嘔吐(おうと)や胸の痛みを伴うこともある。患者は10万人に1人程度との推計があり、中年で発症するケースが多いとされる。従来の根治治療は外科手術が主流で、患者の体への負担が大きかった。

 新しい治療法は2008年に考案され「経口内視鏡的筋層切開術(POEM(ポエム))」と呼ばれる。口から内視鏡を入れて食道の粘膜に1カ所穴を開け、粘膜の裏側につくった“トンネル”から、食道を締め付けているリング状の筋肉「内輪筋」を切開することで食道が広がり、食べ物がスムーズに通過するようになる。

 手術は1時間半から2時間程度。全身麻酔のため痛みを感じることはなく、術後5日程度で退院できる。開発者で既に千例以上を手掛けている昭和大江東豊洲病院(東京都)の井上晴洋教授は「外科手術より患者の治りが良く、再発はほとんどない」と説明する。

 岡山大病院では消化器内科の杉原雄策医師を中心とするチームが担当。1月から4例を実施し、いずれも経過は良好という。症例を重ねた後、保険診療の対象施設として認定を受ける予定。

 同科の岡田裕之教授は「潜在的な患者数は推計値より多い可能性もある。中四国の治療拠点として役割を果たしたい」と話す。

最終更新:8月23日(火)9時39分

山陽新聞デジタル