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中国、高品質ステンレスシームレス管のAD措置撤廃

鉄鋼新聞 8/23(火) 6:00配信

 日本製の高品質ステンレス・シームレス(継ぎ目無)鋼管に対する中国の反ダンピング(AD)措置がWTO(世界貿易機関)で協定違反と認定された問題で、中国・商務部は22日、EU(欧州連合)製を含め同鋼管に対するAD課税を撤廃すると発表した。昨年10月のWTOの最終勧告に従った形で、4年近くに及んだ不当な措置がようやく撤廃された。

 経済産業省は同日、今回の撤廃によって年間5億3千万円以上の課税負担が軽減されるとし、日本製鋼管の競争力回復につながるとの見方を示した。
 対象となったシームレス鋼管は、超臨界圧・超々臨界圧石炭火力発電所で使う高品質品。中国側は、同鋼管の輸入増で同国の同業メーカーが被害を受けてたとし、12年11月にAD課税を開始。
 日本はこれに対し、日本製の高品質鋼管は中国で製造できず、中国産業に被害を与えていないなどとし、13年4月にWTO紛争処理小委員会での審査(パネル設置)を要請。一審に当たるパネルが15年2月に日本の申し立てをほぼ認めたほか、両国の上訴を受けて設置された上級委員会でも昨年10月に日本の主張が認められていた。
 WTOの最終決定を受けて、日中両政府は勧告履行(措置撤廃)までの猶予期間を設定。その期限が8月22日となっていた。
 今回のAD措置で日本製鋼管の上乗せ関税率は、新日鉄住金製が9・2%、神鋼特殊鋼管製が14・4%。中国の日本製鋼管輸入はAD措置後も減っていない。中国国内では同品質の鋼管を調達できないためとみられ、日本製鋼管の品質の高さを裏付ける形となっていた。
 WTOは今回の認定で、輸入品と国内の同種の産品との間に性能・グレードで違いがあり、競争関係が不十分な場合は、その差異を適切に考慮することを調査当局に求めていた。新興国のAD措置では、競争関係などの認定で不透明なケースも散見される。中国がWTO勧告に従ってAD措置を撤廃したことは、不透明で恣意的な措置の発動を未然に防ぐ効果もありそうだ。

最終更新:8/23(火) 6:00

鉄鋼新聞

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