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西置繭所 最盛期の姿に れんが壁撤去 富岡製糸場

上毛新聞 8月23日(火)6時0分配信

◎木製建具修繕、公開へ

 調査解体工事を進めている群馬県富岡市の世界文化遺産、富岡製糸場の国宝「西置繭所」について、市は22日、生糸生産量が最大だった1974年ごろの姿に復元すると発表した。東側1階部分を覆っていたれんが壁の裏側に現存することが昨年の調査で分かった明治期建造のガラス窓付き木製建具を修繕し、来訪者が見られるようにする。2020年東京オリンピックを見込んだ来訪者増に対応。建具の保存修理工事を10月から始め、19年度に完成させる。

 市富岡製糸場保全課によると、西置繭所は木骨れんが造り2階建てで、1872(明治5)年の開業当初、1階は石炭置き場などとして使用。木製建具は用途変更に伴い、1900年ごろに1階に設置され、建物は以降、繭の選別や製糸工場などとして使われた。第38回国民体育大会(あかぎ国体)を前にした81年、外観に配慮しようとれんが壁で覆われた。

 2014年度からの調査解体工事で、れんが壁内側を覆っていた板を取り除いたところ、古い木製建具が大部分残っていることが昨年判明。同課は専門家の意見を踏まえ、製糸場の世界遺産としての価値は生糸の生産技術の革新にあり、「美装的に造ったれんが壁は製糸システムとは関連性が薄い」として、既に1階のれんが壁の東側半分程度を撤去している。

 世界遺産・国宝であることから、文化庁に復元の形状変更を申請し、文化審議会の協議を経て7月に許可を受けた。ユネスコ世界遺産委員会にも形状変更を報告する。

 今後、西置繭所の1階内部は鉄骨フレームと透明素材で覆い、明治初期の天井しっくいなどを見学できるようにしたり、ホールや休憩所、ギャラリーとして整備する。

 市は調査解体工事を来月までに終え、10月から保存修理や耐震化に取り掛かる。総事業費は約33億6千万円。

最終更新:8月23日(火)6時0分

上毛新聞