ここから本文です

女子レスリング期待の星、埼玉栄・中村が決意 リオ金の登坂と練習も

埼玉新聞 8/23(火) 10:32配信

 閉幕したリオデジャネイロ五輪で6階級中、金4個を含む計5個のメダルを獲得し、日本のお家芸となっている女子レスリング。埼玉県内にも4年後の東京五輪を目指す有望な高校3年生がいる。先日の高校総体女子46キロ級で初優勝を飾った埼玉栄の中村未優だ。世界ジュニア選手権(8月30日~9月4日・フランス)44キロ級で世界大会に初挑戦する期待の星は「自分の力を思い切り出し、金メダルを取って帰ってきたい」と決意を込める。

 「思い切っていかないと!」「迷ってると中に入られるぞ!」

 スパーリング中、響き渡る甲高い声の主が中村だ。男子、女子に関係なく仲間を鼓舞する姿からは、レスリングへの情熱があふれ出ている。

 野口篤史監督も「練習が終わってからも練習。オリンピックを目指し、チャンピオンになりたい一心なのでしょう。目の輝きや生き生きとした表情からも分かる。脚力とバネはずばぬけていて、精神的な部分でも国際大会で活躍できる資質を持っています」と心身ともに絶賛する逸材だ。

 そんな18歳が今月4日に名門レスリング部の新たな歴史を切り開いた。

 高校総体46キロ級で1年生吉元との同門決勝に7―2で快勝し、初制覇。埼玉栄高女子選手としても初の栄冠だった。昨夏は、2年連続の高校3冠に輝いた山崎弥十朗(現早大1年)らを擁して男子団体で悲願の初優勝。男子団体優勝校で女子の優勝者を輩出した全国初のチームとなった。

 5歳から1学年上の山崎らと同じ格闘技ジムで競技を始め、高校入学までは、ほぼ抜群のスピードから繰り出す高速タックルだけで勝負していた。

 だが「組まれたら何もできなかった」と課題を自覚。武器を伸ばすことと同時に、組み手や投げも習得しようと鍛錬を重ね、戦いの幅を広げた。持ち前の向上心の高さも後押しし、「だいぶ自分で展開して、仕掛けられるようになってきた」と手応えをつかんでいる。

 中村が五輪出場を狙う48キロ級は五輪階級では最も軽く、リオ五輪で登坂絵莉(東新住建)が金メダルを獲得したように壁は高い。その登坂と今年1月、至学館大(愛知)での合宿でスパーリングを行う機会があった。

 公式戦と実戦練習の違いを差し引いても、ポイントを奪えたりと、歯が立たなかったわけではなかった。ただ「最初にタックルで取れていたのに取れなくなった。同じことをさせてもらえない。その対応力はすごい」と世界のトップを肌で感じ刺激になったという。

 格好の腕試しとなる世界ジュニア選手権へ「世界を見るのは初めて。すごく楽しみ」と胸を高鳴らせながらも、「外国人選手は手足が長い。でもスタミナがないので、焦らずに後半勝負」と勝ち抜くビジョンは鮮明だ。初めての晴れ舞台を、出場、そして活躍を誓う東京五輪への序章にする。

最終更新:8/23(火) 10:32

埼玉新聞