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「古河産業の中期戦略」〈安永社長〉=輸送・新エネ向けを強化

鉄鋼新聞 8/23(火) 6:00配信

 古河電工グループの中核商社である古河産業(本社・東京都港区)は2016年度から中期5カ年計画をスタートさせた。輸送や新エネルギーなど成長市場の捕捉を目指すとともに、専門組織を設けて新規のビジネスを模索。事業の変革を進めつつ、売上高を2千億円に倍増させる考えだ。今後の戦略について、指揮を執る安永哲郎社長に聞いた。(古瀬 唯)

――まずは今期の見通しから。
 「連結の経常利益は10億円強で約4割増、売上高は約1300億円で1割強の増加が目標。足元市場は軟調だが達成すれば双方とも過去最高値だ。これまでの戦略を大きくは変えず海外で事業を拡大する。航空機関連市場が拡大しており、米国や日本の顧客へアルミ加工品の提案を強化。自動車関連では同じ古河電工グループの自動車部品メーカー古河ASが製造する電装品向けの材料をしっかり納入する。併せて電気自動車の普及が見込まれる中、車載電池用の銅箔を拡販。インフラ関連では風力発電向けの電線販売や、中国や東南アジアの電線メーカー向けの樹脂材料を伸ばす。併せて半導体製造装置用のアルミ厚板を米国や台湾で拡販したい」
――今期から5カ年中期計画がスタートしました。
 「20年度に経常利益を15年度比で約3倍の20億円に、売上高は倍近い2千億円に高める。高い目標の達成に一丸で取り組むことで変革を促したい。培ってきた良さを守りつつ、新たな取り組みに躊躇しない風土を醸成する。今後は市場が拡大し、当社の商材が競争力を発揮する輸送・新エネルギー・医療の3分野を伸ばす。輸送関連は自動車や航空機、鉄道や船舶向けなど。自動車向けは古河ASと連携を強化しつつワイヤハーネスや車載電子部品向け材料の伸びる需要に対応する。併せて電気自動車の普及に合わせ現在メーンの電池用銅箔のほか、新商材を投入できればと考えている。航空や鉄道関連ではアルミの加工品を増やす」
――新エネルギーや医療関連で期待できる商材や市場は。
 「新エネルギー関連では風力発電を含め新しい発電所の建設が増えるので、古河電工とタイアップし陸上系の超高圧ケーブルの需要を取り込みたい。また風車内部に敷設するキャブタイヤケーブルにも注力する。医療関連では古河テクノマテリアルのニッケルチタン合金線を、体内にカテーテルを挿入する際のガイドワイヤ向けで積極的に拡販。国内に加え中国や東南アジアでの販売も強める」
――海外取引の拡大に向けた施策は。
 「販売と調達を合わせた海外取引高比率は現行の3割から5割に高める。拡大に向け4月にドイツに欧州初の事務所を開設したほか、7月にはベトナム事務所に日本人の駐在を置いた。米国は電気自動車や航空機関連市場が期待できるので増員を検討したい。新規進出は以前中南米を視野に入れていたが欧州拠点を出したばかりなのでしばらくは様子見」 
――商材や顧客の拡大も重要に。
 「既存顧客のシェアを拡大と併せて、新規の商材や顧客の開拓も重視する。中計の中間地点である18年度には売上高の2割を新規製品にしたい。材料を納入した企業が造った製品の販売をサポートし、商材を拡大する取り組みが浸透してきた。売って終わりではなく引き続き当社のリソースで顧客の営業を支援する。加えて新たな顧客に新規製品を提案するニュービジネスに近い部分にも注力。新領域を切り拓くため十数人体制で専門のチームを編成した。20年度までに次の事業の柱を作りたい。今年度に入り知恵を出し合って100の新規アイテムをピックアップしている。今動きがあるのはドローンを活用したビジネス。発電施設の点検を機体メーカーと連携して行えないか考えている。これは鉄道関連での展開も期待できる。今後は当社ならではの付加価値をつけることが課題だ」
――今後考えている投資については。
 「機動的に支出できる投資枠を設けており、新規ビジネスを立ち上げるための人材のほか、新卒採用も強化したい。加えて将来的には農業や林業など第一次産業に関連したビジネスに資金を投入する可能性もある。また通常の投資として基幹システムの刷新を実施する予定だ」

最終更新:8/23(火) 6:00

鉄鋼新聞