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錦織選手の96年前、「オリンピック日本初メダル」を取ったテニス選手は?

TOKYO FM+ 8/23(火) 12:00配信

大盛況で幕を下ろした「リオオリンピック2016」。振り返ってみると今回のオリンピックは「史上初」「○○年ぶり」「快挙」という言葉を良く聞きました。卓球、柔道、カヌー、バドミントン、競歩、陸上4×100m……本当に興奮しましたね! そんな「快挙」の中でも印象深いのが、96年ぶりにテニスでのメダルをもたらした錦織圭選手。今回は、その「96年前」にタイムトリップです。

96年ぶりに日本にテニスでのメダルをもたらした錦織圭選手。
この「96年ぶり」という言葉、気になりますよね。
96年前、テニスでメダルを取った人物……それは、熊谷一弥さんというテニスプレイヤーです。

「日本人テニスプレーヤーの礎」と言われる熊谷さんは、福岡県出身の明治23年生まれ。
日本人初の四大大会出場、ベスト4入りを果たした人物です。
大学を卒業後、渡米。
これがテニス選手として日本人で初めての海外遠征だったそうです。

この遠征で、熊谷さんはいきなり「全米ランキング5位」に。
テニスファンから大いに注目されます。
そして迎えた大正9年のアントワープオリンピックで、シングルス・ダブルスともに銀メダルを獲得するのです。
これは、日本のオリンピックにおける記念すべき最初のメダルでした。

歓喜に沸いたかと思いきや、熊谷さん自身は最後の試合の敗戦に大変落ち込んでしまいました。
彼が残した言葉はこういうものです。
「この夜ほど私は悲憤痛恨の涙にくれたことはない。同胞の期待を裏切った後悔の念は、二重にも三重にも私の心を責め、さいなんだ」

どうしても金を取りたかった思い。最後の最後で負けてしまったくやしさ。
こうした思いは、およそ100年前のアスリートも抱えていたのですね。

熊谷一弥は、左利きのプレイヤー。
軟式ラケットの標準的な握り方である「ウエスタングリップ」で握り、欧米人と比べるとかなり小さな体格で並み居る強豪を倒していったとか。
その姿はさながら日本の武士の様だったとも言われています。
ちなみに、シングルスで手に入れた日本初のメダルですが、あちこちに貸すうちに行方不明になってしまったそう。
そんなエピソードまで大物さを感じますね。

テニスプレイヤーやコーチの中には、彼のプレースタイルをベースにしている方がとても多いとのこと。
先人たちの思いを受け取り、およそ100年ぶりに手に入れたのが、錦織選手の銅メダルなんですね。

(TOKYO FMの番組「シンクロのシティ」2016年8月22日放送より)

文/岡本清香

最終更新:8/23(火) 12:00

TOKYO FM+