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“料理×メッセージ“の妙―― 剛力彩芽『グ・ラ・メ!』の味わい

トレンドニュース(GYAO) 8月23日(火)19時24分配信

テレビ朝日系列で金曜23時15分から放送の『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』。
剛力彩芽演じる市木くるみが、官邸料理人に抜擢(ばってき)されるところから物語は始まる。官邸料理人は、外交問題や政治問題をはらんだ国賓・公賓といった要人など、さまざまな人々が招かれる首相官邸で料理を提供する、重要な役目だ。

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主演の剛力彩芽は、一部ネットなどで“低視聴率の女王““(事務所による)ゴリ押し“などと批判されているが、このドラマは好調と言える。
初回視聴率7.2%は、深夜の時間帯であるにもかかわらず、金曜ドラマの中でトップとなった。20時放送のテレ東『ヤッサン』は4.7%、22時のNHK『水族館ガール』6.0%、同じく22時のTBS『神の舌を持つ男』6.4%、24時12分からのテレ東『侠飯~おとこめし~』2.0%だった。
第2話以降はやや下降しているものの、2話6.7%・3話4.1%・4話4.3%・5話5.0%は、まずまずの数字と言えよう。またデータニュース社が毎日3000人のテレビ視聴実態を調べる『テレビウォッチャー』での満足度でも、初回3.81・2話3.61・3話3.50・4話3.60・5話3.56となった。ドラマの平均は3.60前後なので、こちらもまずまずと言えよう。

さて、19日放送の第5話である。
主人公の市木くるみ(剛力彩芽)は、「料理にメッセージを込める」ことを得意としている。
この回では米大統領首席補佐官が極秘で来日し、総理と会食を行うことになった。大統領のやり方に文句を言わず従うよう促す米首席補佐官に対し、市木くるみは“多国籍ピザ“を提供した。首席補佐官が暮らしたことのあるハワイ・インドネシア・シンガポール・広島の名産を、アメリカのソウルフードであるピザの上に乗せることで、「各国が主張しあっても、地球という一枚の生地の上では協調できる」というメッセージを込めた。

これに対して、ライバルの「官邸大食堂総料理長」の清沢晴樹(高橋一生)は、ジゴ・ダニョー・ロティ(仔羊もも肉のロースト)を提供した。伝統あるフランス料理で、明日も変わらずに食べたいと思える味、これがまさにプロの料理だと、米首席補佐官はこちらをより高く評価した。この伝統のフランス料理のように、「あって当然のものが必ずある」ということは幸せであり、国民の平和がまさにそれにあたるのではないか、と言い米首席補佐官は去っていった。

確かに「あって当然のものが必ずある」ことの幸せを感じることは難しい。食の世界では、「あって当然のもの」の最たるものは、家庭料理だろう。毎日慣れ親しんだ味。毎日食べるからこそ、ありがたみを感じることは少なくなってしまう。本当はとてもおいしいと感じているはずなのに、だ。

日本味覚協会代表の水野考貴氏は、この点をこう解説する。
「味覚の観点から言っても、慣れる、ということはおいしさにつながっている。
例えば一般的に高級と言われるキャビアやフォアグラは、初めて食べたときにはあまりおいしく感じない方が多いだろう。人間の舌は、初めての味に違和感を覚えるようにできているのだ。逆に、食べ慣れた味はおいしく感じるようにできているが、驚きや感激は生まれないため、表現することが難しいようだ。
例えばこの夏休み、親元を離れて暮らしている方は、お盆に里帰りをした方が多いのではないだろうか。久しぶりに帰省すると、母親が『何を食べたい?』と聞いてくることだろう。私の場合、「お寿司や焼き肉でも食べに行きたいな」と思ったのだが、同じタイミングで帰ってきていた兄は、「そうめん」と答えた。そうめんなんて昔イヤになるほど食べさせられたものだ。食べたい、と思うものではない。しかし、久しぶりに食べたそうめんはとてもおいしかった。「あって当然のもの」のありがたみを、兄はこの時点で理解していたのだろう。私はこのドラマを見て、やっと理解することができた」

さて『グ・ラ・メ!』第5話に話を戻す。
この後くるみ(剛力)は、首相(小日向文世)が一度も名乗り出たことのない実の娘との会食料理を頼まれる。そこで彼女が出した料理はあっと驚くものだった。料理は味を楽しむだけなく、料理に込められたメッセージを味わえるということを、このドラマは教えてくれる。料理をテーマにしたドラマは近年増えているが、料理をこのように料理したドラマは実にユニークで、次の料理がつい楽しみになってしまう......

文責:次世代メディア研究所

最終更新:8月23日(火)19時24分

トレンドニュース(GYAO)