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閉鎖したトランプ氏の住宅ローン会社、立ち上げ当初から問題含み

Bloomberg 8月23日(火)0時28分配信

ドナルド・トランプ氏は2006年、米住宅市場が過熱しつつあり、大きな問題が起きそうだという話は全て聞いていたが、平然としていた。その年の春、トランプ氏は新たに住宅ローン会社トランプ・モーゲージを立ち上げた。

トランプ氏は、ウォール街40番地ビルを本拠とし、初年度だけで30億ドル(約3000億円)、10年以内に1000億ドル程度のローンを仲介する計画だった。息子であるドナルド・ジュニア氏も事業計画の具体化に携わった。06年4月、経済専門局CNBCとのインタビューで、住宅市場に亀裂が生じ始めている兆候について尋ねられたトランプ氏は、「住宅ローン会社を始めるには絶好の時期だ」と答えた。

その1年半後、トランプ・モーゲージは閉鎖した。住宅市場が崩壊し、米経済が大恐慌以降で最悪のリセッション(景気後退)に陥る中、他の多くの金融機関や証券会社と同様にトランプ・モーゲージも事業から撤退した。

トランプ氏は本業の不動産以外にもステーキやウオツカ、航空会社、ボードゲーム、旅行ウェブサイト、雑誌など数多くの事業を手掛けたが、その中でもトランプ・モーゲージの閉鎖ほど同氏が大統領選挙キャンペーン中に作り上げてきた金融界の第一人者というイメージと衝突する例はないかもしれない。同社の閉鎖が、崩壊寸前にあった市場にトランプ氏が性急に参入したこと明確に示しただけなく、不動産と密接なつながりのある業界で起きたからだ。

メリーランド大学ロバート・スミス・ビジネススクールのクリフ・ロッシ教授は「トランプ氏は住宅ローン市場に参入する上で最悪の時期を選んだ。ブームの最後の最後近くまで待ってしまったということだ」と指摘。もちろん、住宅市場の危機では他の金融業界の幹部らも不意を突かれたことは事実だ。だが元シティグループの消費者ローンリスク担当だったロッシ氏は、住宅ローン業界に最初は漠然と広がっていた不安も、06年までには事業リスクを示す多くの事例からはっきりしたものになっていたと語った。

トランプ氏の広報担当ホープ・ヒックス氏にはコメントを求めて連絡を取ったが、これまで返答を得られていない。

原題:Donald Trump the Mortgage Broker Was in Trouble From Moment One(抜粋)

Heather Perlberg

最終更新:8月23日(火)0時28分

Bloomberg