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オバマ大統領も2回観に行くほどハマった!ヒップホップでアメリカ史を描く異色ミュージカル「ハミルトン」とは?

M-ON!Press(エムオンプレス) 8月24日(水)18時11分配信

トニー賞とピューリッツァー賞──どちらも表現者に与えられる賞としてアメリカを代表する歴史ある賞だが、2016年は“ある作品”が異例のダブル受賞を果たし、話題となっている。

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それが、アメリカ建国の父のひとり、アレクサンダー・ハミルトンの生涯を描いたミュージカル「ハミルトン」だ。このミュージカル、ただの“歴史モノ”ではない。そのストーリーがヒップホップにのって展開されるという異色のミュージカルなのだ。

■描くのは、孤児から初代財務長官に成り上がった偉人の生涯

ミュージカルの主人公、アレクサンダー・ハミルトンは、カリブ諸国からの孤児から、叩き上げでアメリカの初代財務長官にまで出世した人物。10ドル紙幣に肖像画が載っている、アメリカ人なら誰もが知る偉人だ。ミュージカル「ハミルトン」では、ヒップホップを中心にロックやR&Bを取り入れた豊かな音楽で、彼の生涯が丹念に描かれる。

作品の大きな見どころのひとつは「決闘シーン」。優秀さゆえに敵の多かったハミルトンは、関係の悪化していた副大統領アーロン・バーと1対1での決闘の末、翌日に命を落としている。「ハミルトン」では、マンハッタンのハドソン川の対岸・ウィーホーケンで行われた政敵同士によるこの世紀の決闘をヒップホップで演出している。

■作者はハミルトンの伝記に運命を感じた若き天才

この前代未聞のミュージカルを作ったのは、早熟の天才、リン=マニュエル ・ミランダ。プエルトリコ系移民の子として1980年にマンハッタンで生まれた彼は、19歳のときに原案を担当したミュージカル「イン・ザ・ハイツ」で、2008年のトニー賞主要4部門を受賞した逸材だ。

そんな彼が、原案・脚本・作詞・作曲すべてを手がけ、自ら主演したのがミュージカル「ハミルトン」。ハミルトンの伝記を読んで、ラップのリリックが頭に浮かんだこと、そしてカリブ海出身の自分の父とハミルトンの人生に共通するものを感じたことが製作のきっかけとなったという。

また、黒人やラテン系の役者にアメリカ建国の父たちをはじめとした白人の人物を演じさせるなど、ミランダのこだわりが随所に込められたる本作は、「アメリカンドリーム」「移民」「ヒップホップ」という3つの要素でアメリカの過去と現在を繋ぐ大ヒット作品となった。

■オバマ大統領も、大のお気に入り

トニー賞やピューリッツァー賞以外にも、数々の賞を総なめにした「ハミルトン」に、アメリカでは多くの人が熱狂している。あのオバマ大統領でさえも、多忙な仕事の合間をぬって2回も会場に足を運んだという。

オバマ大統領は「ハミルトン」を相当気に入ったのか、のちにミランダと出演キャストたちをホワイトハウスへ招待してパフォーマンスを依頼するほどであった。今や「ハミルトン」は“大統領のお墨付きのミュージカル”と言ってもいいだろう。

今後、映画化やドラマ化の話も進んでいるというミュージカル「ハミルトン」。日本でも、この名作を楽しめる日が来ることに期待したい。

最終更新:8月24日(水)18時11分

M-ON!Press(エムオンプレス)