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準V北海の2年生捕手・佐藤大、平昌五輪よりも甲子園でつかんだ夢

デイリースポーツ 8月24日(水)14時0分配信

 夏の甲子園は、作新学院が54年ぶり2度目の優勝を遂げて幕を閉じた。ドラフト候補に名を連ねる好素材が多くいた今大会。飛び抜けたスターはいなくとも創部116年目で初めて決勝に進んだ、北海の戦いぶりも印象的だった。

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 大黒柱の大西健斗投手(3年)を懸命なリードと好守でもり立てたのが、2年生の佐藤大雅(たいが)捕手。五輪出場という夢もあったスピードスケートを辞めて野球に専念し、甲子園という新たな目標を達成してみせた。

 小3で始めたスケートでは、中2冬には全国中学校体育大会の長距離2種目に出場。下級生ながら、5000メートルで10位に入った。いとこには、昨年全日本ジュニア王者に輝いた佐藤綾乃選手もいる。釧路の強豪校への進学を予定し、18年平昌五輪出場という夢も「ありました」と振り返る。

 考えが変わったのは、中3の夏だった。北海の4番を務めていた3歳上の兄・龍世さん(現富士大)が、南北海道大会札幌支部予選の初戦で敗退。甲子園への道を絶たれた。一報を聞くと、応援から帰ってきて落ち込んでいた母・かおりさんに宣言した。「オレが北海に行って、甲子園に行くよ」。家族の夢を、自分が追うと決めた。

 野球でも中学時に全道大会に出場していたものの、スケートほどの実績はなかった。当然、スケート仲間や指導者からは引き留められた。それでも、決意は変わらなかった。「兄が負けたその日に、すぐに野球をやると切り替えた」という。「釧路の高校に行って、スケートをやるものだと思っていた」(かおりさん)と、母でさえ驚く目標転換だった。

 長距離系の選手だったこともあり、体格は細身。体を大きくするのに苦労し、母が作る丼ものを懸命に平らげた。昨冬は10キロの増量に成功。2月に三塁手から捕手にコンバートされると、泣きながら何度も捕球練習を繰り返した。努力が実り、今春からベンチ入り。レギュラーの座をつかんだ。

 猛練習に耐えられたのも、スケートの経験が一因だ。「5000メートルならリンクを12周するんですけど、3周目ぐらいから、もうキツいんです。そこからどれだけ頑張れるか。気持ちの面では、野球に生きていると思います」と話す。

 今夏南北海道大会では、強肩を生かした守備に加え、打率4割を超えた打撃でも貢献。主力として念願の甲子園出場を果たした。そして、甲子園では2試合目の3回戦から決勝まで4番に。3回戦・日南学園戦でいきなり決勝打を含む3安打を放った。「つなぐ4番だった」という兄と同じスタイルで思う存分、聖地で躍動した。

 リンクで滑り続けていれば、今頃は五輪の舞台に近づいていたかもしれない。運命を変えた2年前の決断。佐藤大は、満面の笑顔で「本当に切り替えてよかったです」と言った。家族と自分の新たな夢をかなえた夏。来年はもっと大きくなって、深紅の大優勝旗を目指して欲しい。(デイリースポーツ・藤田昌央)

最終更新:8月24日(水)16時20分

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