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エグスプロージョンの巧みなプロモーション

オリコン 8月25日(木)7時0分配信

 YouTubeにアップした「本能寺の変」等の「踊る授業シリーズ」が大ヒットしたエグスプロージョン。ダンサーとしての活動の幅を広げるべく、新規ファン獲得を狙ったプロモーション戦略が見事にヒットした。そのアプローチ法について、ディレクションを担当する佐藤ヒサオ氏に聞いた。

ライブの動員数も着実に増えているという(下写真)

■「真似したくなる」言葉選びやBPM等綿密に企画

 昨年、YouTubeの動画「踊る授業シリーズ」が爆発的にヒットし、国内のYouTube再生回数の年間ランキング上位10本に5作がランクインするなど、一気に知名度を上げたエグスプロージョン。よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属、お笑いの感覚も持ち合わせてはいるが、あくまでもダンサーユニットであり、振付師だ。結成から14年というキャリアの中で、2人組になったのが昨年のこと。

「活動のコアはあくまでもライブにあります。12年からスタートした毎年のツアーは、着実に動員こそ伸びていましたが、アーティストとしてのプロモーション面ではSNSやホームページ発信の口コミ中心。もっと飛躍的に認知度を上げる方策を、ずっと考えていました。2人体制になることを機に、ファンの間口を広げるために、より積極的にYouTubeを活用していこうと本人たちと話し合いました。まずは流行のネタをダンスでカバーする手法でトライして、その流れからオリジナルのダンスネタでの動画を作る方向に自然に展開しました」とディレクターの佐藤ヒサオ氏。彼女はよしもとの音楽ダンスパフォーマンスセクション時代の10年から彼らのマネージャーを担当しており、昨年からパワープレイミュージックに籍を置きつつ、引き続き彼らの作品作りやツアー演出などをディレクターとして担当している。YouTubeの活用にあたり、当初は低予算・低カロリーで更新頻度を優先するゲリラ的な動きを重視していた。

「私も含め3人で、毎日SNSなどを地道にチェックし、何が流行しているかという情報を共有し、考えていました。ダンス講師などで呼ばれた先の若い学生さんたちから話を聞いて、どんな言葉が刺さるのか、どんな音楽やコンセプトが好まれるのか、感覚をリサーチしたり。アナログですが、欠かせない作業です。結果、変だけどマネしたくなる振付や衣装、当時流行の速いBPM、連呼すべき言葉といった形式を作っていったのです」(佐藤氏/以下同)

 15年春に投入されたオリジナル「踊る授業シリーズ」の1本目「本能寺の変」のヒット以降、急激にメディア露出を増やし、トップYouTuberにもなった。踊りながら何かのテーマを楽しく簡潔に伝達するというフォーマットは、官庁や大企業とのコラボ動画といった広告的な展開にも繋がっている。

「ここまでの反応は想像していませんでしたが、最初から作品創りはすごく綿密に考えています。歴史ネタは、学生に興味を持ってもらえるという読みと、テレビや広告などの分野でも扱ってもらいやすい題材だろうとも考えていました。歌詞は、クリーンなイメージを確保しつつ、ネットスラング的な共感も得られるギリギリの表現を入念に選んでいます」

 動画の使用楽曲など、配信されているオリジナル曲はいずれも好評。ブレイク以前から配信される音楽・動画のクオリティには注意を払っていたという。とはいえ、あくまで動画は宣伝ツールだという。

「着地点はライブです。彼らの本当の良さ、躍動感や臨場感は、どうしても動画では伝わりませんから。ライブではもちろん、音響や演出などのクオリティにもこだわりますし、今年のツアーでキッズエリアを設定するなど、来場者の満足度向上も意識しています」

 ダンサー発の新たなコンテンツ創作として、実現したいアイデアはまだまだたくさんあるという。また歴史以外のネタも用意しているとのことで、こちらも注目。12月には東名阪を廻るZeppツアーも予定している。ライブハウスの距離感で、客席と一緒に盛り上がることが可能なダンス・エンタテインメントとして、彼らと佐藤氏が繰り出す次の一手に期待したい。(文/及川望)

■東名阪Zeppツアー
EDISON presents エグスプロージョン×ひとりでできるもん
Zepp LIVE TOUR 2016 (仮)
12月5日(月)Zeppダイバーシティ東京
12月21日(水)Zeppなんば大阪
12月22日(木)Zepp名古屋

(コンフィデンス 16年8月1日号掲載)

最終更新:8月25日(木)7時0分

オリコン

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。