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酪農家から悲鳴 ヘルパーが足りない 人材確保あの手この手 北海道

日本農業新聞 8月24日(水)7時0分配信

 酪農家の搾乳作業などを請け負う酪農ヘルパーが全国で不足している。他産業と人材の奪い合いが激しい上、農家の利用回数も増えているためだ。北海道では人材確保に向け、ヘルパー専用の宿泊施設を建設するなど対応に追われる。ヘルパーの確保は新規参入の増加につながることから道酪農ヘルパー事業推進協議会は23日から泊まりがけの体験ツアーを企画、PRに懸命だ。

・住居新築、体験企画も

 「12人いた専任ヘルパーが今は5人。せめて2、3人増やさないと」。北海道豊富町の酪農ヘルパー利用組合で組合長を務める酪農家、柳楽雅秀さん(46)はヘルパー減少に危機感を抱く。同組合は休日確保に加え、けがや病気に備えて地域の酪農家が立ち上げる。各酪農家の希望を調整してスケジュールを組み、職員の専任ヘルパーらが搾乳を請け負う。

 近年は酪農家の休日取得に向けた意識が高まり、高齢化、大規模化で利用が増加。一方、ヘルパー数は全国で減っている。

 ヘルパー不足で「農家は自分の定休を減らしたり、利用を譲り合ったりしている状態」と柳楽さん。住宅事情が悪く、ヘルパー希望者が定着しなかった苦い経験もある。

 それだけに事務を請け負うJA北宗谷は「ヘルパーが住みやすい環境をつくらないと、日々の作業に集中できない」(振興課)と考え、組合の予算で住宅2棟を新築した。既に組合への就職を希望する声もあり、年内にも入居が決まりそうだ。

 ヘルパーの負担が重くなっていると感じるのは浜中町の安江暁宣さん(38)も同様だ。安江さんは同町のヘルパー組合で7年勤務した後、今年、酪農家に転身した。当時を振り返り「ヘルパーの要請が増え続け、断らざるを得ないこともあった」と明かす。ヘルパーを酪農家への準備期間と位置付ける人は多いだけに「過酷な状況が続けば、就農どころではなくなるかもしれない」と、担い手不足にもつながると指摘する。

 こうした課題を解決しようと14年、北海道酪農ヘルパー事業推進協議会が発足。15年からは道内各地で体験ツアーを開き、各ヘルパー組合が宿泊付きで学生らを受け入れるようになった。これまで60人が体験し、うち10人が組合に就職した。

 協議会会長で幌延町の酪農家、佐藤浩幸さん(52)は「ヘルパーの知名度アップと職場の環境改善は不可欠。利用する側も意識を変えていくことが重要だ」と強調する。(岡信吾、竹内啓太)

・雇用改善を 酪農経営に詳しい日本大学生物資源科学部の小林信一教授

 ヘルパー減少は、他の仕事と比べて労働環境が良くない上、給与が低いなどの雇用条件も悪く、将来展望を描けないことが要因だ。専任ヘルパーの担い手である新卒者も、最近は畜産法人に就職するケースが増えている。

 短期的な対策としては、仕事に見合う給与の確保や社会保険の充実などが求められる。将来的には新規就農や生涯ヘルパーとして活躍する道だけではなく、JAの営農指導員などに登用することも必要ではないか。

日本農業新聞

最終更新:8月24日(水)7時0分

日本農業新聞

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