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【相模原事件】植松容疑者は「モンスター」か? 再発を防ぐために精神科医は問いかける

BuzzFeed Japan 8月24日(水)5時0分配信

「僕には彼がモンスターだとはどうしても思えないのです」

「僕には彼がモンスターだとはどうしても思えないのです」
精神科医の松本俊彦さんは、BuzzFeed Newsの取材に、そう口を開いた。
彼とは、神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、障害者19人を殺害したとして、逮捕された植松聖容疑者(26歳)のことだ。【石戸諭 / BuzzFeed Japan】

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所に勤める松本さんは、薬物依存症治療の第一人者であり、相模原事件をうけて、厚労省が設置した再発防止策検討チームのメンバーを務めている。

松本さんの問いかけは、こうだ。

植松容疑者の「奇行」や大麻の使用、極端な障害者差別発言に注目が集まり、モンスターであるかのような印象が先行する。しかし、それは本当なのか。

「長い笑み」は大麻の影響ではない

松本さんが、まず注目したのは、送検時に植松容疑者が見せた長い笑みだ。障害者19人を殺害しながら、なんら悪びれる様子もなく、にやっと笑って見せた。その姿は、大麻の使用とともに、繰り返し報道された。

「まず、強調したいのは大麻の影響で事件が引き起こされた、というのは間違った見方だということです。送検時にはすでに大麻の効果は完全に切れていたはずです。彼の不敵で、どこか場にそぐわない笑みは、大麻の影響でハイになっていたからではないと思います。大麻の影響が抜けても、明らかにおかしな精神状態が存在しているのだと思います」

では、何が影響しているのか。それを考えるためには、植松容疑者の足取りをたどる必要がある。

植松容疑者は精神科で「抑うつ状態」と診断されていた。

検討チームの会合で、厚労省の調査が公表されている。

植松容疑者は、今年2月、障害者の殺害を予告する発言があり、「自傷他害の恐れがある」と診断され、措置入院になった。

入院中に自分の内面について、「あの時はおかしかった。大麻吸引が原因だったのではないか」と内省するような発言があった。他害の恐れはなくなったと判断され、3月2日に措置入院は解除されている。

解除後、植松容疑者は3月24日と3月31日に2度、外来を受診している。24日の診察は当初、17日に予定されていたが、約1週間前に変更の依頼があったという。

予約を変更し、別の日時を指定し、その日に姿を見せる。一見すると、普通の行動だが、「約束をちゃんと守れるというのは、強い治療の意思のあらわれだと思える」(松本さん)。

そして、この診察で「抑うつ状態」などと診断され、診断書もでている。

そして3月31日に、5月24日の受診予約をいれた。その後、6月28日に予約を変更したが、姿をみせることはなかった。

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最終更新:8月24日(水)10時53分

BuzzFeed Japan

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