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火力発電所の灰で橋のコンクリ強化 「フライアッシュ」環境にも優しい

福井新聞ONLINE 8月24日(水)17時31分配信

 橋梁などコンクリート構造物の設計施工を手掛ける日本ピーエス(本社福井県敦賀市若泉町、有馬浩史社長)が、北陸電力敦賀火力発電所から出た石炭灰の一種「フライアッシュ」を混ぜたコンクリート桁を使い、工事を進めていた同県永平寺町の大月橋が完成した。フライアッシュを使うことで耐久性が向上し、セメント製造過程で発生する二酸化炭素(CO2)排出量削減につながるという。県内の橋梁上部工事で、フライアッシュのコンクリートが使用されたのは初めて。

 フライアッシュは、石炭を燃焼させたときに発生する石炭灰のうち電気集じん機によって集められた微粉末の灰。フライアッシュを使うことでコンクリート製造の際、セメント量を減らすことができ、セメントのアルカリ成分と骨材が反応して起きるひび割れの抑制効果がある。またコンクリートが緻密になり、凍結防止剤などの浸透による塩害を抑制できるという。

 フライアッシュの利用は、北陸3県の産学官が連携して有効利用促進検討委員会を設立し、活用システムの構築を検討。福井県も使用推進の方針を打ち出している。

 同社はコンクリート内に鋼線を配置し、あらかじめ圧縮力を加えるプレストレスト・コンクリートの工法を採用。地域資源の有効活用と、耐久性の向上を目指して昨年5月、フライアッシュのコンクリートを自社製造できるよう設備を改修した。配合や養生方法を変えるなど技術研究を重ね、試験桁による実験を行って性能を確認した。耐久性について同社は、海岸付近での最も厳しい条件で鉄筋が腐食するまでの年数は通常のコンクリートの32年に対し、89年との試算が出たとしている。

 大月橋は長さ12メートル、幅員4・1メートルで、8日に竣工した。県の発注で、受注額1476万円。フライアッシュの使用量は、主桁全体重量の2・8%の1・2トン。

 フライアッシュのコンクリートに関して同社は現在、大月橋以外に北陸自動車道の日野川橋の床版更新工事(同県越前市―南越前町)など2件を受注している。有馬社長は「高速道路の大規模更新など今後、維持補修は増えていく。フライアッシュは環境に優しい。インフラの老朽化対策で社会に貢献したい」と話している。

福井新聞社

最終更新:8月24日(水)17時31分

福井新聞ONLINE