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【高校野球】準V北海の道産子エース右腕・大西が表情を崩さなかったワケ

Full-Count 8/24(水) 9:57配信

37回目の甲子園出場で初の決勝進出、エースは試合中になぜ淡々と投げ続けたのか

 第98回全国高校野球選手権大会で準優勝に輝いた北海(南北海道)。その原動力となったのはエース・大西健斗投手(3年)だった。V6の岡田准一似のイケメンと言われるなど、今大会で高校野球ファンの心に残る投手の一人となった。

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 準決勝まで4試合連続完投。決勝は3回5安打5失点(自責4)で降板となったが、「顔晴れやかに、やりきったぞという感じでみんなのもとへ帰りたいと思います」と爽やかな笑顔を残し、甲子園を去った。

 昨夏の甲子園初戦、鹿児島実業戦では2人の3年生の後を受けて、3番手でマウンドに上がった。しかし、1死もとれずに3失点で降板。傷口を広げてしまい、4-18と大敗した。主将として、エースとして帰ってきた1年後の夏。準優勝にまで登り詰めた。

「昨年の借りを返そう、まずは1勝を、と思ってやってきました。まさかここまで来られるとは思っていなかったです。周りのみなさんに感謝しています」

 日に日に増す道民、高校野球ファンの声援を力に感じ、最後まで戦った。

 創部116年目、全国最多の37回目の甲子園出場で初の決勝進出。準決勝も88年ぶりだった。「先輩たちが作りあげたものに恥じないものをと思ってやってきました」。大西は歴史を感じながら戦ってきた。

歴史の重みを感じながらマウンドに上がっていた大西

 その1つが注目を集めた表情だった。試合後こそ、笑顔で報道陣に対応したり、ファンへスマイルを振りまいたが、試合中は一切、表情を変えず、淡々と投げていた。大西はその理由をこう明かした。

「歴代の北海のエースでも主将でも、落ち着いた雰囲気を持っていると思うのです。それが北海に合っている」

 この1年、肩や肘の疲労や痛みから投球ができない時期もあった。腰を痛め、走り込むことすらできないことも。そんな時は「チームを客観的に見るいいきっかけになった」と練習の手を休め、冷静にチームを見る時間にあてた。この頃から、焦らずに落ち着きを持ってプレーでき始めたという。そういう姿勢が、大西を過去の先輩たちの雰囲気に次第に近づけていった。

 平川敦監督は「このチームだけでも映画が一本作れるかもしれない」と快進撃に驚きを隠せなかった。その主役は間違いなく大西。歴史を感じてしまえば、体は硬くなってしまう。いつも通りの北海野球をしようと、ナインに語りかけて戦っていた。一方で歴史の重みを感じながら、大西はマウンドに上がっていたのだ。

 惜しくも準優勝に終わったが、大西は誰よりも北海の野球部史に残る活躍を見せた。この感動的な“ドキュメンタリー”は色褪せることはない。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

最終更新:8/24(水) 17:42

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