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前例のない“電力の価値”を取引する市場は誕生するか

ニュースイッチ 8/24(水) 11:50配信

エネ庁が「非化石電源マーケット」創設へ動き出す

 経済産業省・資源エネルギー庁は再生可能エネルギーや原子力発電など非化石電源の電力価値を売買する新取引市場を創設する方針を固めた。地球温暖化対策の一環として、小売り電気事業者はエネルギー供給構造高度化法に基づき2030年度に非化石電源比率44%以上を求められる。卸電力取引の活性化などに加え、電源調達に多様な選択肢を用意し、火力発電を主力とする新電力の目標達成を支える。

 非化石電源は水力や太陽光、風力などの再生可能エネルギー、原子力が該当する。こうした電力の「価値」を算出し、第三者が仲介する「非化石価値取引市場」(仮称)で売買できるようにする。

 前例のない取り組みになるため、制度設計には相応の時間を要する見通し。エネ庁は有識者会議などを通じて16年度から議論を本格化し、30年度に向けた制度の枠組みを決めていく方針だ。

 政府が15年に打ち出した30年度の望ましい電源構成(エネルギーミックス)では、全電源のうち原子力は20―22%、再生可能エネルギーは22―24%とされた。これに沿う形でエネルギー供給構造高度化法では、前年度の電気供給量が5億キロワット時以上の小売り電気事業者に対する非化石電源比率は44%以上と定め、二酸化炭素(CO2)削減を含めて報告を求めている。同時に発電事業者には、省エネルギー法で火力発電の高効率化を求めた。

 小売り電気事業者の自主的な取り組みを重視し、卸電力取引の活性化など環境整備を進めている。これに加えて、電力の価値を取引するという新たな選択肢を設け、低炭素電源へのアクセスを一段と容易にする。

<解説>
 政府は2015年6月に開いた総合資源エネルギー調査会小委員会で、2030年時点の日本の望ましい電源構成として非化石電源比率を44%とした。今回、資源エネルギー庁が、再生可能エネルギーや原子力発電など非化石電源の電力価値を売買する新取引市場を創設するという。制度設計には細心の注意をはらい、十分な検討時間をかけるべきである。

 水力、太陽光、風力、地熱などの再生可能エネと原子力発電という個人により価値基準が異なるエネルギーが、価格が付き新取引市場で売買される。前例のない画期的な取り組みと言える。価格は需給関係で決まるから市場が再生エネと原発にどういう評価を下すか、その後の再生エネ政策、原発政策に影響を与えることになろう。
(旭リサーチセンター・相談役 永里善彦氏)

最終更新:8/24(水) 11:50

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