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成り立ちの謎、科学で迫る 八尾・本法寺曼荼羅絵図

北日本新聞 8月24日(水)0時27分配信

■超高精細画像を初めて撮影

 県立大の原口志津子教授(日本美術史)を中心につくる研究グループは23日、富山市八尾町宮腰の法華経別院本法寺が所蔵する「法華経曼荼羅(まんだら)絵図」の超高精細画像を初めて撮影した。寺宝とあって公開される機会が少なく、絵図の研究はあまり進んでいないことから、グループは画像を基にさまざまな視点で絵図を研究し、成り立ちや制作の背景を探る。

 同寺の曼荼羅絵図は鎌倉時代末期に制作された。22幅のうち21幅は国指定重要文化財、江戸時代に補われた1幅が県指定重要文化財となっている。

 原口教授は約25年間の研究で絵図の成り立ちについて、制作主体の僧侶や同寺に持ち込まれた経緯などの新説をこれまでに発表。研究の一環として、本年度の国の科学研究費補助金を得て京都国立博物館や東京芸大、筑波大などの研究者11人と共に絵図の多角的な調査に乗り出した。

 この日は、企画展で絵図を展示している射水市新湊博物館(同市鏡宮)で超高精細画像を撮影した。専門家が8千万画素のデジタルカメラで縦約1・9メートル、横約1・2メートルの軸を20カ所に分けて撮影。赤外線カメラでも撮り、補修の跡を浮かび上がらせた。

 描かれている絵が精緻であるため、分割撮影した画像は今後の研究には欠かせない。この画像を使い、日本美術史や説話文学、歴史学、民俗学などの分野の研究者が、▽絵図の技法▽制作の経緯▽制作当時の京と北陸の関係▽当時の風俗-などを解き明かす。

 研究グループの一員で京都国立博物館の大原嘉豊保存修理指導室長は「絵図を通して地域の成り立ちを見直す契機にしたい」と意気込む。原口教授は「この画像を基に、さらに研究を進めたい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:8月24日(水)0時27分

北日本新聞