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中国EVブームの陰に日本の新興自動車会社、既存業界に挑戦状(訂正)

Bloomberg 8月24日(水)6時0分配信

京都市の電気自動車(EV)メーカー「GLM」は車のベースとなるプラットホームの提供を含む提携で、中国などの大手自動車メーカーやIT(情報技術)企業などと協議している。走行性能や安全性など基本的な要素を切り出して提供し、顧客の多様なニーズに合わせた車をつくれるようにすることでEVの爆発的な普及を目指す。

小間裕康社長(39)は大阪市でのインタビューで、プラットホームを提供する方向で約10社と交渉しており、完成車販売と並んで事業の柱にすると話した。提供先はEVブームの中国の大手自動車メーカーなど、自動車を量産できる企業という。さらにサービス事業者にも提供を計画。GLMの出資者でもある中国の電子ゲーム会社、遊族網絡と事業協力で協議しており、「技術を提供する可能性はある」と述べた。

GLMは2010年に京都大学の学内ベンチャーとして設立。トヨタ自動車やホンダなどのエンジニアを採用してEVスポーツカー「トミーカイラZZ」を開発し、14年に発売した。GLMの強みはシャシーとモーター、バッテリー、制御ユニットなど車の基幹部分で構成するプラットホームだけでも提供する点だ。トミーカイラZZが国土交通省から公道走行の認証を受けた12年ごろから国内外で引き合いが増え始めたという。

独フォルクスワーゲンなどは将来の車生産のモデルとして、規格化した部品ユニットを組み合わす「モジュール生産」を提唱しており、小間社長によると、GLMはそれに近い発想という。既存の自動車メーカーは車のコモディティー化を恐れ、プラットホームを積極的に販売していない。

新興EVメーカーにとって参入障壁となるのは公道での走行認証だ。これを取得した上で大手自動車部品メーカーと取引し、量産可能な体制を築いている例はなく、「実績のあるコンペティターはいない」と小間社長は話す。GLMでは京大ベンチャーという立場から車載バッテリー大手のGSユアサなど地元企業の協力を得て取引関係を結べたことが飛躍につながったという。

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最終更新:8月24日(水)12時38分

Bloomberg