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第3次嘉手納爆音訴訟 結審へ 原告ら、沖縄の「不条理」切実に訴え

琉球新報 8月25日(木)5時1分配信

 米軍嘉手納基地の周辺住民約2万2千人が日米両政府を相手に、米軍機の夜間飛行差し止めなどを求めた第3次嘉手納爆音訴訟の一審が25日、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)で結審する。開廷は午前10時。


 原告団は、爆音が生活妨害だけでなく健康被害を生じさせているとして、一貫して米軍機の飛行差し止めを求めてきたが、これまでの裁判では米軍の運用に日本の法支配は及ばないとする「第三者行為論」で訴えは退けられてきた。

 訴訟期間中も戦闘機や無人偵察機の飛来が続いているほか、2017年1月以降は嘉手納基地に飛来する可能性がある計16機の最新鋭ステルス戦闘機F35が米軍岩国基地(山口県)に順次配備される予定だ。騒音被害は拡大している。原告らは、「健康で文化的な最低限度の生活」という憲法で保障されているはずの生存権の実現を求めている。

 ◇裁判、最後のとりで

 生まれてからのほとんどを県道を挟んだ嘉手納基地の滑走路の前で過ごしてきた仲本兼作さん(43)=嘉手納町屋良=は、難聴やストレス障害を感じている。昼間も自宅の1階で中古車販売の仕事をするため一日中、常に爆音にさらされている。「ここに生まれてしまった以上、ストレスが常に付きまとう」

 今まで町役場や沖縄防衛局、さまざまな窓口に爆音被害を訴えてきたが何十年と変わらなかった。訴訟を知り、第2次訴訟から原告となった。

 病院で診断を受け難聴だと言われたが、ある周波数が両耳で聞こえなくなる「騒音性難聴」と認められなかった。近所の人も耳が悪い人が多いと実感しているが「裁判は立証するのが難しい。本来なくていいはずの被害のために、体力も時間も奪われ、疲れる」といら立ちも募る。

 第3次訴訟で自ら法廷で被害を訴えたいと初めて証人尋問の場に立った。今まで騒音と認められていなかった“地上音”のうるささを訴えたかったからだ。

 哨戒(しょうかい)機の駐機場が目の前にある自宅は、戦闘機の飛行がまき散らす音だけでなく、機体が滑走路を移動する時に放つ音、エンジンをかけ続けている音が夜間も響き続ける。「裁判は最後のとりでだ」。怒りを込め、結審を迎える。

琉球新報社

最終更新:8月25日(木)10時32分

琉球新報