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ドイツで大論争「定年69歳」日本は何歳が適当か?

THE PAGE 8月26日(金)12時0分配信

 ドイツの中央銀行にあたるドイツ連邦銀行が公的年金制度を維持するため、退職年齢を69歳に引き上げるよう提言したことでドイツ国内では大論争となっています。日本でも厚生年金(定額部分)の支給開始年齢引き上げに伴い、段階的に65歳まで定年が延長されますが、果たしていつまで現役で働くのが妥当なのでしょうか。

 ドイツ連銀は今月公表した報告書の中で、現在の年金財政は十分な状況にあるとしながらも、年金の持続性を考え、2060年をメドに退職年齢を段階的に69歳まで引き上げることを提言しました。ドイツでは現在、退職年齢は65歳となっていますが、2029年までに67歳に引き上げることが決まっています。今回の提言はこれをさらに引き上げる内容ということになります。

 ドイツの公的年金は日本とよく似ており、若い世代が高齢者世代を支える、いわゆる賦課方式を採用しています。年金保険料の料率(被用者年金)についても約19%と日本に近い水準ですし、企業と従業員が保険料を折半する点も同じです。ただ給付の条件は厳しく、給付金額の75%が現役世代から徴収する保険料で賄われており、給付金額の64%しか保険料でカバーできていない日本より財政状態は健全です。このため税金による補填も日本より少なく抑えられています。

 ドイツは財政健全化に対する要求が厳しく、財政を均衡させることはドイツの憲法に相当するドイツ基本法にも明記されています。年金財政についても赤字の拡大が許容される雰囲気ではありません。

 ドイツにおいて公的年金は最低限度の生活を維持するためのものという位置付けになっており、積立式の個人年金制度も用意されているため、ある程度所得がある人は個人年金を併用しています。またドイツは労働市場が柔軟で、企業は特に理由がなくてもいつでも自由に従業員を解雇できます(その代わり、失業保険や職業訓練制度などが充実しています)。基本的に個人が自立することを強く求める社会ですから、今回の退職年齢引き上げもそうした考え方の延長線上で出てきたものと考えるべきでしょう。

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最終更新:8月26日(金)13時7分

THE PAGE