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「元気与える歌手に」 沖縄市の高校生 九州最高賞

琉球新報 8月25日(木)5時0分配信

 【沖縄】通信制高校に通いながら、音楽活動を続ける18歳のシンガー・ソングライターがいる。沖縄市在住で、透明感のある声が魅力の平葵さんだ。小中学生の頃は人付き合いが苦手で引きこもりがちだったが、中学3年で楽曲制作やライブ活動を始め、人とのコミュニケーションが取れるようになった。「音楽が自分を助けてくれた。人を元気付けられるような歌手になりたい」と目を輝かせる。
 今も音楽活動を続ける7歳年上の兄・繁幸さんの影響で、中学2年の時にギターを始めた。中学3年で、兄のつながりがあった北谷町のライブハウス「MOD’S(モッズ)」で活動を開始。小柄で繊細な歌声だが、楽曲によってはアコースティックギターを豪快にかき鳴らし、迫力ある歌声を披露することもある。
 「家と音楽が好きだった」と振り返る平さん。不登校の時期もあったほど、人と関わりを持つのが苦手だった。しかし、大好きな音楽を人前で披露するうちに自信が付き、自己表現ができる明るい性格になった。「過去の自分が今の自分を見たら、不思議に感じると思う」と変化を実感している。
 現在は毎週のように県内各地のライブイベントやお祭りに呼ばれ、歌声を披露する。5月にはワンマンライブを行い、初めて自主制作のCDも販売した。
 これまでに制作した楽曲は20曲以上。その中でも思い入れが強いのが、中学3年で作った「ロケット」だ。当時、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のロケット「イプシロン」が発射寸前に打ち上げを中止し、関係者が残念がっている表情をテレビで見て制作した。当時の自身の思いも重ね「期待されている自分がいるけど、それに応えられない葛藤を描いた」という。
 歌声や実感のこもった歌詞に評価は高い。昨年11月に福岡で開かれた音楽コンテスト「第9回ミュージックレボリューション 九州・沖縄ファイナル」ではグランプリに輝いた。受賞がきっかけで、主催社のヤマハと育成契約を締結。現在は県外で発声練習やイベントにも参加し、歌声やパフォーマンスにさらに磨きをかけている。
 将来の目標はプロの歌手。「音楽で生活ができるようになりたい。過去の自分と同じように、人付き合いが苦手で、学校に行けない人たちを元気付けたい」
 平さんの歌声が全国に響き渡る日は、そう遠くないかもしれない。(長嶺真輝)

琉球新報社

最終更新:8月25日(木)5時0分

琉球新報