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首相「早急に政府方針」 帰還困難区域で与党6次提言受け

福島民報 8月25日(木)12時8分配信

 自民、公明両党は24日、帰還困難区域への対応を盛り込んだ第6次提言を安倍晋三首相に提出した。区域内の復興拠点を平成29年度から整備し、5年後をめどに避難指示を解除するよう求めた。安倍首相は政府の対応方針を早急に固める意向を示した。
 市町村が県と協議した上で復興拠点の整備計画を策定。政府は計画を認定し、法制度や予算措置を通じて後押しする。区域は再編せず整備した復興拠点から部分的に解除する内容とした。福島県と関係7市町村からの要望は全面的に反映した。復興拠点整備を集中的に進めるためインフラ整備と除染を一体的に進める方策の検討を要請した。
 県内で除染対象外となった道路側溝堆積物の処理は、国が責任を持って方針を示し、自治体と連携して取り組むと明記した。風評対策の抜本的な強化なども盛り込んだ。
 第6次提言は自民党東日本大震災復興加速化本部の額賀福志郎本部長、公明党東日本大震災復興加速化本部の井上義久本部長らが官邸で提出した。安倍首相は「政府としての帰還困難区域への考え方を早急にまとめたい」と述べた。

■東電に事業費請求明記せず

 自民、公明両党の第6次提言では帰還困難区域内に設定する復興拠点の除染や整備について、事業費を東電に求めるかどうかは明記しなかった。
 安倍首相への提言提出後に記者会見した額賀本部長は事業費負担の在り方について「決めていない」とし、東電の廃炉・汚染水対策や賠償の進捗(しんちょく)を踏まえて検討する考えを示した。
 提言の取りまとめに向けた自民党東日本大震災復興加速化本部の会合では、帰還困難区域以外の除染と同様に東電の負担とするよう強く求める意見が出ていた。

【第6次提言に盛り込んだ帰還困難区域への対応】

・将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任を持って取り組むとの決意の下、可能なところから着実かつ段階的に取り組みを進める
・5年をめどに避難指示を解除し、居住を可能とすることを目指す「復興拠点」を各市町村の実情に応じて適切な範囲で設定し整備
・6号国道をはじめ広域的なネットワークを構成する主要道路(これに接する部分や復興ICを含む)について除染などの整備
・市町村が計画を県と協議の上で策定し、政府は整備計画を認定
・整備に当たっての除染とインフラ整備の一体的かつ効率的な実施
・復興拠点などの整備がおおむねできた段階で、当該地区の避難指示を解除
・これを実現するため政府は法制度および予算を措置
・区域の見直しは地域間の新たな分断を生み、復興のスピードを遅らせるおそれがあるため行わない
・当初復興拠点を設定しなかった地区の中長期的な復興に向け、市町村が全体構想を策定した場合には、政府はその思いを受け止め、中長期的な施策につなげる
・市町村は放射線量の低下状況や復興の進捗(しんちょく)などを踏まえ、復興拠点などを整備する計画を見直すことが可能
・復興拠点外地区であっても市町村の伝統や文化のシンボルであり人が交流する拠点などの整備を支援
・帰還困難区域の中に復興拠点を設定することが困難な市町村については、地域の実情に応じた支援の在り方について柔軟に検討
・復興拠点などの整備に当たっては、公共事業的観点からインフラ整備と除染を一体的かつ連動して進める方策を検討
・ふるさとへの思いを持ちながら地元を離れて生活する方々に対して、生活再建のための支援を強化
・居住制限区域および避難指示解除準備区域に住民が安心して帰還できるよう、これらの区域の宅地に隣接する部分についても対策を講じる
・里山モデル事業を将来的には帰還困難区域で実施することを視野に検討

【国と東京電力の果たすべき役割の分担】
・東京電力は福島への責任貫徹のため改革加速化に向けた今後の新たな取り組みを明確化
・電力自由化の中においても廃炉・汚染水対策、除染、被災者賠償などが安定的に実施できる環境を整備

福島民報社

最終更新:8月25日(木)12時39分

福島民報