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渡部秀「複数の役を演じ分けるのは、新たな挑戦」舞台『沓掛時次郎』本番直前の想いを語る

デビュー 8月26日(金)7時0分配信

 俳優・渡部秀が、8月27日より新国立劇場 小劇場で上演される舞台『遊侠 沓掛時次郎』に出演。同作は、シス・カンパニーと劇作家・北村想が、近代日本文学へのリスペクトを込めて上演する人気シリーズ”日本文学シアター”第3弾。昭和が愛した大衆文学の巨星・長谷川伸による股旅ものの傑作『沓掛時次郎』をモチーフにしたオリジナル戯曲。座長・段田安則をはじめ、熟練の役者たちに交わり、“期待の新鋭”として物語に新しい風を吹き込む役割を担っている渡部秀に、本番を目前に控えた今の心境を語ってもらった。

【写真】本番直前の想いを語った渡部秀

【シス・カンパニー公演 日本文学シアターVol.3【長谷川伸】
『遊侠 沓掛時次郎』渡部秀インタビュー】

◆「本当にあっという間で“もう本番が始まっちゃうんだ!”という感じ」

――8月27日よりいよいよ本番が始まりますが、今の心境は?

【渡部秀】「本読みが始まった当初は、稽古期間が長いなって思っていたんです。小劇場の作品のイメージだと、もう少し短いのかなと思っていましたので。でも、始まってみるとあっという間でした。振り返るとすごく長い期間この作品に携わっていたなと思いますが、本当にあっという間で、“もう本番が始まっちゃうんだ!”という感じです」

――この作品への出演が決まったときの感想は?

【渡部秀】「“シス・カンパニーさんの作品に出られるんだ!”と単純にびっくりしました。本当に素敵なベテランの先輩方に囲まれて、“大丈夫かな”と最初は不安もありましたけど、稽古が始まってみると、みなさんすごく気さくで、プロ意識も高い方々なので、毎日すごく勉強になります」

――どんな刺激を受けましたか?

【渡部秀】「座長の段田さんは、この舞台の主役としてみんなをリードしてくださっていますし、時代ものを劇中劇で演じるので、発声の仕方とか語尾の上げ下げとか、これまで培ってきたものでしっかりと芝居を作っていかれている姿をみていると、さすが座長と感じます」

◆「複数の役を演じ分けるのは、新たな挑戦」

――『沓掛時次郎』を上演する旅芸人一座「長谷川團十郎一座」の物語ということで、劇中劇では、本役以外の役を演じることになりますが。1つの芝居で複数の役を演じ分けるという点はいかがですか?

【渡部秀】「意外にすんなりできたというか、なんとかやれています。大きくわけて、みなさんそれぞれ演じるのが3役くらいあるんですけど、複数の役を1つの劇中で演じられるという経験はなかなかできることではないので、約90分の芝居の中で演じ分けるのも楽しいですし、新たな挑戦だなって思っています」

――旅芸人一座の若手の座員・長吉を演じる渡部さん。どのような人物だと捉えていますか?

【渡部秀】「“なんで年上ばかりの一座に、若い役者が入ってきたのか”というのを掘り下げたときに、演出の寺十吾さんともいろいろ話を重ねさせていただいたんですが、きっと何かの作品に影響されて、こういう時代ものや股旅ものに憧れて、この座組に入ってきた青年で、年齢も一番若いし、雑用とか下っ端みたいな形で働いているのかなと。もしかしたら彼には彼で夢がほかにもあって、この座組は跡取りがいない状態で、若手が僕しかいないから、もしかしたら違うところに入ろうかなって考えてるのかなとか、“この座組、大丈夫かな”って不安を抱えながら座組にいるような不安定な立ち位置ではあると思うんです。だからこそ見えるものがあったり、時に冷静で、時に熱いところがあったりする役柄かなと思います」

――普段、どのように役作りをされているんですか?

【渡部秀】「一番最初にやることは、いろいろと調べものをして、その人の生い立ちとか過去とか、どういう人物なのかを掘り下げていきます。でも、固めすぎて失敗することも多かったので、あまり固めすぎずに、現場に入ることが多いです」

――役を作っていく上で心がけていることは?

【渡部秀】「自分がやる役を自分が一番好きになることは大切だと思います。“この役は自分にしかできない”と、自信を持ってやることが一番いいのかなと思って取り組んでいます」

◆「初舞台は手足震えてすごく緊張した」

――舞台作品ならではの楽しさ、魅力は、どんなところに感じますか。

【渡部秀】「何回も同じことを繰り返しやるということは、人間としていろいろと成長できると思います。同じ演技を10回、100回と回数重ねて芝居することって、舞台でしかないと思うし、たとえば100回やっていく中で、どこかでパッと変われる瞬間があったりするんですよね。あと、最初から最後までノンストップでいくというのは、舞台の面白さでもあり、怖さでもある。僕も初舞台は手足が震えてすごく緊張しました」

――いつ頃から舞台を楽しめるようになりました?

【渡部秀】「最初の1、2回目は“早く終わって欲しい!”って、とにかく緊張していてしょうがなかったんですけど、それを乗り越えて、カーテンコールでの拍手を冷静に見れたとき、“あ~、楽しかった!”って思ったんです。今瞬間、瞬間にやっているんだ!という感じで、映像のお仕事とは違う興奮がありました」

――本番が8月27日~10月2日までと公演数も多く、上演期間も長丁場ですが、楽しみにしていることは?

【渡部秀】「初日よりは千秋楽のほうが良くないといけないと思うので、いい意味で変わっていくとは思います。公演数がたくさんあって、日数も長いので、千秋楽に向けてどんどん成長していきたいなと。あと、舞台あるあるですけど、休演日明けの芝居がちょっと変わっているとか、自然にそういうのが出ているかもしれないですし、見る時期によって芝居の印象が変わってくるかもしれないなと。公演期間が長いので、そういうところも楽しんでいただけたらと思います」

◆「台本があれば何にでもなれちゃう、夢のある職業」

――ドラマや映画、舞台をはじめ、情報番組のレギュラーなど、様々なジャンルで活躍されている渡部さんが思う、この仕事の魅力とは?

【渡部秀】「役者って、芝居の中で消防士になれたり、警察官になれたり、ゾンビにもなれたり、やりたい夢、なんでもできちゃうんですよね。お芝居の仕事以外でも、バラエティ番組とかでいろんな場所に連れていってもらえたり、海外に行けたり、なかなか経験できない、いろんなことを経験できるところが魅力の一つだと思います。台本さえあれば、何にでもなれちゃう、夢がある職業です。ぜひ、これを読んでいるDeview読者のみなさんにもデビューしてほしいなと思います」

――当時の渡部さんのように、地方で芸能界を目指している読者もたくさんいます。

【渡部秀】「僕は秋田にいるころから、ずっと“芸能人になろう”と思っていたんです。でも、スカウトを待っていてもなかなかチャンスがないし、実はちょっと意識して街の中心ぶらぶら歩いたりしてたんですけど、一切声はかからず……(笑)。それで、本屋さんに行ったら、『JUNON』をみつけて。ちょうど『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』の募集をしていたので、親に内緒で応募したのが始まりなんです。僕が秋田にいたころに比べて、今はWEB等いろんな方法で応募できるようになったのでかなり間口も広くなっていると思うし、まずは応募してみよう!という事が大切だと思います」

――ちなみに、10代のときにやっておくべきことって何かありますか?

【渡部秀】「勉強はやっておいたほうがいいですよ! 前に、クイズ番組に出たときに、団体戦で僕だけ不正解だったことがあって。それなりに勉強していたほうだったけど、もっとやっておけば良かったなと。ただ、僕も当時の自分だったら、そういうことを言う大人が苦手でした(笑)。ついにそうなっちゃったかと……。でも、大人になってみると、あのときの大人の人たちは正しかったんだな。あの時言うこと聞いておけば良かったなって思います」

――では、最後に舞台の見どころアピールを。

【渡部秀】「公演期間が長いので、観るタイミングによって変わってくる舞台だと思います。なので、1回といわず、2回、3回と観ていただけたら嬉しいです。任侠とか仁義の面白さ、ステキな役者の方々の匠なお芝居を見れるいい機会だと思います。小劇場というすごく見やすい劇場で、間近でお芝居を感じることができて、より世界に入りやすい作品だと思いますので、ぜひ劇場にお越しください!」

 シス・カンパニー公演 日本文学シアターVol.3【長谷川伸】『遊侠 沓掛時次郎』(http://www.siscompany.com/tokijiro/)は、8月27日(土)~10月2日(日)新国立劇場 小劇場にて上演。全ステージ当日券の販売あり。

【プロフィール】
渡部秀(わたなべ・しゅう)●1991年10月26日生まれ、秋田県出身。アミューズ所属。2008年度『第21回 ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』準グランプリ受賞。主な出演作は、『仮面ライダーオーズ/OOO』、連続テレビ小説『純と愛』、映画『進撃の巨人』、『シュウカツ』、舞台『真田十勇士』、『ASUMI 幕末編』など。現在、NHK Eテレ『テレビでハングル講座』レギュラー出演中。公式インスタグラム:shu_samurai

最終更新:8月26日(金)11時10分

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